ロシアには、2つの大洋にそそぐ川がある 

Kir Tikhomirov

 本来、海は互いに遠く離れた場所にあるはずだから、奇妙に思えるかもしれない。だが、世界には海が互いに「接する」場所もあるのだ。

 デリキュ川は、まさにそのような地域を流れる。源流はハバロフスク地方のベリル山だが、やがて本流は枝分かれする。支流の片方はオホータ川に流れ込んで太平洋に注ぎ、もう一つの支流は北極海に繋がっている。

 これは河川分岐(river bifurcation)という珍しい現象で、他にはベネズエラのオリノコ川など、世界に数例しかない。 

 なお、デリキュ川はまさに名は体を表すと言ってよい。デリキュとはエヴェンキの言葉で「ズボン」を意味する。確かに、似ている。

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