ソビエトの理想地区、モスクワの北チェルタノヴォ

Vasily Egorov, Alexey Stuzhin/TASS
1970年代半ば、モスクワ南部に試験的な小地区セヴェルノエ・チェルタノヴォ(北チェルタノヴォ)の建設が始まった。「街の中のもう1つの街」である。運動施設から靴の修理まで、生活に必要な一切合切がそろうことになっていた。

 ソ連では初めて、住宅に接続される自動車道が地下トンネルの中に造られ、住宅の地下には駐車場が設けられた。駐車台数は、3世帯に1台という計算に基づいていた。住居棟の間の道路は緊急車両専用とされ、住居棟の前のスペースには自動車は進入しない。

 住宅も通常とは異なり、自由度の高い設計となった。仕切り状の大きな扉を開けば、キッチンと客間が一体になり、ワンルームマンション化する。一部の住宅は2つの階に仕切られ、上がキッチン、下が部屋に分かれていた。

 建物の1階の住宅の一部は、個別の入口があった。最上階にはワンルームが幾つかあり、モスクワの建築家やアーティストに充てられた。

映画「アトラクション」からのセヴェルノエ・チェルタノヴォ風景

 小地区は1982年に完成し、モスクワ市民にも愛されたが、映画監督たちにも注目された。この地区は多くのソ連映画や、現代の映画にも登場している。

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