ロシア、半世紀ぶりに月探査機を打ち上げ

Museum of Cosmonautics

 ロシアは8月11日(モスクワ時間)、無人月探査機「ルナ25」を打ち上げた。「ルナ25」は南極に軟着陸し(史上初!!)、永久凍土帯で今後の基地設置に必要な水を探査する。

 新生ロシアになってからこのようなプロジェクトが行われるのは初めてであるが、月探査競争は1960年代からすでに始まっていた。そしてソ連は当時、次々と月に関する「記録」を打ち立てた。その成果がいかに大きなものであったのか、改めて確認してみよう。 

「ルナ1」 

 世界初の月探査機。1959年、打ち上げ自体は完全に成功した。ただ、指令のミスにより、月近傍を通過するにとどまり、地球と火星の間を好転する太陽周回軌道に入った。

「ルナ2」 

 太陽風を発見し、月にはほぼ磁場がないことを確認した。「ルナ1」のわずか半年後に打ち上げられ、実験に見事成功した。

「ルナ3」 

 世界で初めて月の裏側の写真を撮影するのに成功した。

 ちなみにフランスのワインの作り手、アンリ・メールはこの一件をめぐってソ連の領事との賭けに負けたため、ソ連に1000本のシャンパンを贈ることとなった。アンリ・メールは月の裏側の写真を撮ることなど誰にもできないと信じていたのである。

「ルナ9」 

 固定された1つのカメラで月面のパノラマ写真を撮影した。それまで月の写真といえば、軌道または地球から撮影されただけであった。

「ルナ10」 

 1966年に世界で初めて月の人工衛星となった。衛星は軌道上で56日間、観測を行い、月の重力異常(重力分布に地域的な偏りがあること)を発見した。 

「ルナ16」 

 地球に月の土壌を回収し、地球に持ち帰った。1970年に「豊かの海」から地球に運ばれた土壌の質量は101グラムだった。

 

「ルナ17」 

 世界で初めて月面車を投入し、ほぼ1年にわたって、10キロほどの距離を走行し、調査を行った(当時の月面車はスピードがかなり遅かった)。 

「ルナ24」 

 ソ連最後の月探査機。1976年、深さ2メートルから土壌サンプルを採取した。またソ連の研究者たちはそこに水があることを証明した。

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