ドラマシリーズ「フォー・オール・マンカインド」の新シーズンでは、ソ連とNASAの間で火星探査競争が展開されている。このドラマシリーズは、ソ連が最初に月面着陸し、米国がそれに新たな挑戦状を投げつけるという世界の宇宙開発競争の物語が描かれている。
シーズン3の直前に、ソ連の宇宙船「マルス95」が宇宙船発射基地から打ち上げられ(そう、この中ではソ連はまだ崩壊せず、ゴルバチョフが権力の座に就いている)、そこから新たな競争が始まる。
多くの映画人たちが、宇宙開発と宇宙産業がどのようなものだったのかというファンタジーを抱いている。ときにこのイメージは非常にナイーヴで(宇宙船は子どものアトラクションのように描かれている)、ときにその時代に達成されていたものを大きく上回っていた。映画やドラマで、ソ連とロシアはどのような宇宙船に乗っていたのだろうか。
これは他の惑星への飛行に対するかなり原始的な見方である。パヴェル・クルシャンツェフ監督のソ連の映画「火を噴く惑星」では、同じタイプの3基の宇宙船―「カペラ」、「ヴェガ」、「シリウス」が金星に向かって打ち上げられる。「シリウス」だけが着陸に成功するが、正直に言えば、宇宙船は公園に置かれたロケットのようで、今見ると笑えるものである。
旅客機から撮影された「タントラ」は、ソ連映画で初めての、単純なロケットには似ていない壮大な宇宙船であった。映画は、宇宙船が見知らぬ惑星に着陸し、敵対する生物と戦うというストーリーであった。
小学生のグループが惑星間飛行を行う「ザリャー」は、未来を想像したものであった。映画が撮影された時代にしては、そのデザインも宇宙船の装備も実際に持つ可能性をほぼ20年ほど上回るものであった。
2作品から成るリチャルド・ヴィクトロフ監督の映画では、宇宙船「アストラ」をめぐるストーリーが展開される。「アストラ」は、さまざまな文明を事故から救うため、宇宙を駆け巡る。その様子はまるでUFOのようである。
ソ連のシュールレアリズム的ディストピアの宇宙船は、古い保存食用の瓶のような形をしているのだが、ソ連の観客の間では、どの宇宙船よりも人気を博した。
キル・ブルィチョフのSF映画の登場人物、勇敢な少女アリサとその友人たちは、未来派的宇宙船「ペガス」に乗って、宇宙を旅する。
スタンリー・キューブリック監督のカルト的映画「2001年宇宙への旅」の続編では、ソ連の惑星間宇宙船「アレクセイ・レオーノフ」(人類で初めて船外活動を行ったソ連の宇宙飛行士の名前にちなんでいる)がソ連とアメリカの乗組員を乗せて、木星に向かう。宇宙船はまるで完全なステーションのようで、「2001年宇宙への旅」の「ディスカバリー」よりもずっと幅広い作りとなっている。
近未来映画。地球を襲ったウイルスは、地球全体を破滅させる可能性がある。人類が助かるために、宇宙飛行士団が遠い惑星に向かうのだが、それが、実際には飛行することがなかった(それに銀河間飛行にはまったく適していなかった)ソ連の宇宙船「ブラン」に驚くほど似ている。
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