キャラコ婚式からダイアモンド婚式まで:ロシア人は1年ごとの結婚記念日をどのように呼んでいるのか

Russia Beyond (Getty Images; L. Zhaleyko/A. Sologubova, Olga Pavlovna Kukhar Archive (2), Yulia Medvedeva Archive, Maria Ivanova Archive/Russia in photo)
 ロシア人はほぼ1年ごとの結婚記念日に名前をつけている。いかにしてこれらの名称が生まれたのか、お話しよう。

 ロシアの文化には結婚記念日をそれぞれの象徴的な名前に合わせて祝う伝統がある。その名前には夫婦関係のレベルを比喩的に表した素材が使われている。そしてそれはまた贈り合うプレゼントの「質」をも特定する。たとえば、「鉄婚式」に夫婦は互いにキッチン用品や金属のアクセサリーや装飾品、「ルビー婚式」にはルビーのついた宝飾品を贈るのが習わしだ。この伝統は長い歴史を持つものであるが、ロシアでは多くの夫婦が今もこの習慣を守っている。

1周年 キャラコ婚式

 1年目の記念日をこう呼ぶのは、キャラコという素材ほど結婚生活の最初の段階を特徴づけるのにぴったりなものはないからだ。キャラコは色鮮やかではあるが、まだそれほど頑丈ではない、そんな素材である。

2周年 紙婚式

 結婚生活2年目の夫婦の関係は紙のようで、まだまだ強いとは言えない。しかし、この名前には別の意味合いがある。この頃には、何も書かれていない白い紙のように、互いに、それぞれの価値観を見直したり、妥協しあったりして、調和の中で暮らすことができるようになることをなぞらえている。

3周年 革婚式  

 夫婦の絆が少しずつ強くなる一方で、必要な塑性も出てくる頃。もう一つ、この名前の由来については別の説もある。夫婦の関係がどんどん近くなり、互いが互いを「皮」のように感じるようになるからだというものである。

4周年 麻婚式

 麻はもうかなりしっかりした関係のシンボルである。夫婦関係がしっかりと編まれた布になったの糸のようになったといえる。 

5 周年 木婚式

 最初の節目の記念日には木という名前が付けられている。というのも、この時期の夫婦関係は強くてしっかりしていて、地面に力強い根を伸ばす木と比較できるからである。

10周年 錫婚式(またバラの記念日とも言われる)

 夫婦にとって非常に重要な大きな記念日。この記念日には2つの名前がある。結婚10周年の記念日は「バラの記念日」を呼ばれることが多い。バラは愛、情熱、思いやりを象徴している。バラは夫婦に互いに対する強い愛を、そしてトゲは夫婦が克服してきた困難を意味している。

 一方、錫は夫婦の柔軟さを意味している。妥協するということがいかに大切かということを思い出させるものである。

15周年 クリスタル婚式

 この記念日にはガラス製品やクリスタル製品を贈る習慣がある。この記念日にこうした名前が付けられているのは、この時期には夫婦の間にはいかなる秘密もなく、互いの関係が澄みきったクリスタルのように、透明でオープンになっているからだ。

20周年  磁器婚式

 この記念日は、2人の関係が、夫婦となってから、驚くほど美しく洗練された陶磁器のようになったことを示している。しかし、一方で、陶磁器は脆いものであり、この名前には、夫婦生活が20年経っても、互いに注意深くあるべきだという意味が込められている。

25周年 銀婚式

 この記念日はすべての夫婦にとって重要なものである。愛し合う夫婦が25年、つまり四半世紀にわたって共に過ごすというのは大きな成果であることから、この記念日は盛大に祝われることが多い。ここでは、銀は高貴な輝きをもつ、強く、安定した関係のシンボルとなっている。

30周年 真珠婚式

 古代から、真珠は純潔と真の美しさ、理想を象徴している。加えて、真珠は海底で時間をかけて形成されることから、ここまで来るのには時間と忍耐力が必要だという意味である。

35周年 珊瑚婚式(または麻布婚式)

 珊瑚が強固な形を作るのと同様、夫婦が信頼できるしっかりとした関係を作り出すのには多大な力と時間が必要である。麻布は家庭の快適と幸せを象徴しているが、こちらの名称はあまり一般的ではない。

40周年 ルビー婚式

 夫婦に贈られるルビーは2人の関係の多面性、そして情熱と誠実な気持ちを象徴している。この記念日には、親戚全員を招待することが多い。というのもこの記念日は単に夫婦だけの記念日ではなく、この40年の間、夫婦に寄り添ってきた全ての人々のお祝いだからである。

45周年 サファイア婚式

 サファイアは上質の宝石であり、ダイアモンドの次に強い。サファイアは愛し合う2人の絆の強固さと安寧を象徴している。

50周年 金婚式

 夫婦になって半世紀!金は大変な苦労を持ってしか手に入れられないもの、そして大きな価値を持つもののシンボルである。

55周年 エメラルド婚式

 この記念日にはエメラルドの装飾品を贈り、長生きし、愛し続け、老いないことを祈念する。ここでエメラルドは永遠の愛と生命を象徴している。

60周年 ダイアモンド婚式

 ダイアモンドは地球上でもっとも強い石である。60年続いた結婚生活はダイアモンドと同じように壊れにくいものになったが、美しいダイアモンドになるには大きな努力と忍耐力と時間が必要である。この記念日には、プラチナ婚式などの別の呼び方もある。

65周年 鉄婚式

 この名称も夫婦間の絆の強さに由来している。この記念日には鉄を使った家庭用品をプレゼントする習慣がある。

70周年 祝福婚式

 この記念日を祝うことができる夫婦はそれほどいない。そこで結婚70周年というものは、神から祝福され、与えられたものだと考えられている。この日、子どもや孫、ひ孫は夫婦に好きなものを贈る。こうしたプレゼントの多様性は、2人が共に過ごした日々にさまざまな出来事があったことを象徴している。

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