この緑色をした小さな虫は若い植物の葉の汁を吸って、植物を弱らせ、ウイルスを蔓延する。ウイルスは植物に感染し、枯らせてしまうこともある。アブラムシは喜んで小さな手をすり足をする。アブラムシの寿命は1ヶ月ちょっとだが、この間にダーチャの収穫を食べてしまうだけでなく、数えきれないほどの子孫を残し、ときにその子孫は10世代(!)に及ぶこともある。
そこでダーチャに暮らす人々は、敷地内にアブラムシが出ないよう全力を尽くしている。もっとも劇的な方法は、5月に畑に特別な殺虫剤を散布するというものであるが、「民間のもの」としては、植物に葉っぱを煎じたものをふりかけるというものがある。煎じ薬には、ヒナギク、ニンニク、玉ネギ(皮でもよい)、ジャガイモなどが使われる。煎じ薬には石鹸を加えることもある。
アブラムシはラベンダーやミントの香りにも弱いので、そばにそれを植えるという手もある。アンモニアを使うこともある。
これは、中央ロシアのダーチャで暮らす人々にとって新たな害虫である。数年前にヨーロッパからもたらされたものだ。スペインナメクジは高温多湿の場所を好むため、ロシアの寒い地域ではまだかなり珍しい生物となっている。
大きな赤いナメクジは恐ろしい食欲で、這うよりも早いスピードで繁殖する。ちなみに、赤いナメクジは雌雄同体で、子孫を残すのに異性のパートナーをも必要としない。寿命は春から秋までの1年弱だが、1度に100個の卵を産む。
スペインナメクジはキャベツ、トマト、ズッキーニを食べ、デザートには甘いイチゴを好む。畑だけでなく、集合住宅の中庭で、草を食べながら生息する。
ナメクジ退治は「民間の」方法を使って行う。そんな一つが、ガソリンやビールを入れた瓶でおびきよせるというやり方。ナメクジはこれらの匂いが大好きだという。夜にビールを注いだお皿をあちこちに置いておき、朝、ビールを飲んで酔っ払ったナメクジを集めるのである。
塩水あるいは塩で直接、退治することもあるが、この場合は1匹ずつ追いかけなければならないため、普通は一ヶ所に集めて退治する。
見かけはふわふわしてかわいい生き物でる。しかし実際には、穀物に害を与え、危険な病気を蔓延させる小さなネズミである。
このネズミは超音波の撃退装置を使うか、強烈な匂いで追い払う。たとえば、穀物の貯蔵庫の近くに、酢またはアンモニアに浸した紙ナプキンを置いたりする。
掘るというのが、モグラの生涯の目的である。植物にはあまり興味がなく、どちらかと言えば、蠕虫や昆虫を食べる。そしてこのプロセスにおいて、花や木々の根を傷つけたりする。
モグラの撃退には、「脅かす」というきわめて人道的な方法がとられている。敷地内に風見鶏をつけたり、地面に振動を起こす装置をつけることが多い。モグラはこれが大嫌いで、自ら逃げていくのである。
ロシア南部ではモグラの遠い親戚で、大きな歯と強い手足を持ったデバネズミが住んでいる。
土の中が大好きで、植物の根っこを食べるもう一つの虫。特に花の球根が野菜の根が好きで、一番おいしい部分をかじる。
ケラはおびきよせて退治する。1㍑瓶にビールと蜂蜜を入れておくと、この匂いが大好きなケラはひとりでに瓶の中に入り、一度入ってしまうともう出られなくなるのである。
この鮮やかな色をした縞模様の虫はジャガイモなど野菜の葉が大好きである。研究者らは、この虫を「ジャガイモ喰い」と呼んでいるが、人々の間ではコロラドハムシとして知られる。というのも19世紀半ばにこの虫はアメリカのコロラド州でジャガイモの葉を食べたからである。コロラドハムシは1940年代にヨーロッパとの国境を超え、ソ連にたどり着いた。2000年代の初頭には極東でも発見されている。
ダーチャに住む人々は普通、ジャガイモ畑で、手作業でこの虫を集め、ケロシンを入れた瓶に入れていく。というのも、コロラドハムシはあっという間に化学薬品に対する免疫をつけ、収穫を食べ続けるからである。
またコロラドハムシは強い匂いが嫌いであるため、ジャガイモの近くにミントやディル、コリアンダーなどを植えることも多い。
コドリンガの毛虫は成虫になるためにたくさんの栄養を必要とする。とりわけ好物は、りんご、梨、あんずなどのおいしいフルーツの実である。
りんごの虫食いこそが、コドリンガの仕事である。というわけで、りんごの木の上に蝶が舞っていたら、りんごの木はすでにやられたということである。
コドリンガを退治するには、特別な殺虫剤をシーズン中に2〜4回散布する必要がある。このほか、毛虫がいるかもしれない落ちた実を常に拾い、枯れた枝を拾い、樹皮を白く塗らなければならない。よもぎの匂いが嫌いなため、りんごの木の近くに植えるとよい。
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