外国人が、ロシアで簡素化された手続きで永住権を取得するには、建設段階または、竣工して利用され始めてから2年以内に、任意の不動産(商業、住宅、土地)を購入し、1年間その所有者でいなければならない。
ただし、不動産には抵当権者が存在してはならない。この期間を過ぎると、外国人は、ロシア連邦経済発展省に、または内務省(MVD)のそれぞれの場所の管轄機関に、永住権を申請できる。
不動産の「最低地籍価格」(*地籍価格は、国が定める地価でこれにより固定資産税が決まる)は、極東連邦管区では2千万ルーブル、モスクワでは5千万ルーブル。ロシアの他の地域では、2,500万ルーブル以上となる(1ルーブル≒1.53 円)。
極東連邦管区には次の自治体が含まれる。
投資家、つまりロシアの不動産の所有者だけでなく、一連の優遇カテゴリー(例えば、IT専門家、カザフスタン、モルドバ等の国民など)は、簡素化された手続きで永住権を取得できる可能性がある。これにより、一時滞在許可なしで永住権を取得でき、永住権を申請する前に8か月間ロシアに滞在する必要がなくなる。
ロシア連邦永住権
Alexey Kudenko /Sputnik通常、永住権の取得は、ロシア国籍の取得にいたる段階の一つだ。まず、外国人は、一時滞在許可を申請。これは、パスポートに記載され、3年間有効だ。それから、永住権を取り、その後でロシア国籍申請という流れになる。
永住権とは、外国人がロシア連邦に永住する権利、およびロシアに自由に出入りする権利を認める文書だ。
永住権はまた、ロシア国内のどの地域でも事業を行う権利、強制医療保険(OMS)に基づいて医療を受ける権利、さらに、その根拠がある場合には年金、社会保障、無料の教育を受ける権利も与えてくれる。
しかし、永住権があっても、投票したり、公務員になったり、徴兵で軍務に就いたりすることはできない(契約に基づき契約軍人となることは可能)。また、特定の役職には就けない。
モスクワの国家・自治体サービス提供多機能センター(MFC)
Alexey Mayshev/Sputnik不動産を1年間継続して所有した後、永住権の申請者は、ロシア経済発展省において、永住権取得のために投資家として承認してもらう手続きについて相談できる(相談はオンラインで行うか、オンラインで予約した後に直接、当該機関に赴く)。あるいは、書類一式を添えてロシア内務省(MVD)の管轄機関に行ってもよい。
1. 永住権申請書は2部。申請書は(できるだけ読みやすく)手書きで書いてもいいし、コンピュータ上で記入して印刷してもよい。
2. 「統一国家不動産登録簿」からの抜粋。「国家・自治体サービス提供多機能センター」(MFC) またはウェブサイト gosuslugi.ru からリクエストする。外国人がウェブサイト gosuslugi.ru に登録する方法については、ここで知ることができる。
この抜粋には、不動産の地籍価格と、抵当権者の有無について示されていなければならない。つまり、過去1年間に、その不動産に対する権利の制限や抵当権者が存在してはならない。また、アパートの住宅ローンが支払い中である場合は、それは、永住権申請の権利を与えない。
3. 申請者本人の写真、カラーまたは白黒、35×45mm、修正なし、4枚。
申請書のフォームと永住権取得の手順は、内務省のウェブサイトで知ることができる。
内務省は追加の書類を要求する場合がある(たとえば、外国人が入国するときに発行される入国カード)。また、永住権取得のサービスは有料であり、国に対し手数料を払わなければならない。
外国語で書かれたすべての文書は、ロシア語に公証翻訳する必要がある。
永住権の手続きが完了したかどうかは、内務省のサイトで確認できる。申請の審査期間は30営業日。
外国では、ロシアの在外公館、領事館で、永住権取得の問題について相談できる。
不動産投資のほかに、次の3つの条件のいずれかを満たした外国人投資家は、簡素化された手続きで、永住権を取得する権利を有する。
1) 永住権申請前の3年間に、地域の重要な社会プロジェクトに、1,500万ルーブル以上(1ルーブル≒1.53 円)を投資している。
2) ロシアの企業に3千万ルーブル以上を投資している。ただし、その企業は、3年以上事業を行っており、永住権申請前の1年間に、600万ルーブル以上の税金その他の納付金を支払っていなければならない。
3) ロシアで法人を所有し登録されている。ただし、その法人は、2年以上ロシアで事業を行っており、年間400万ルーブル以上の税金を払っていなければならない。
永住権を取得するためのロシアの不動産への投資は最低でも、極東では約21万ドル(1ドル≒95ルーブルとして)、モスクワでは52万6千ドルとなる。
ちなみに、アラブ首長国連邦では、ドバイの不動産を購入する場合、75万ディルハム、つまり20万5千ドルから滞在ビザ(永住権に相当)を取得できる(数字は首長国によって異なる)。
ロシア経済発展省のドミトリー・ボリヴァチ副大臣によると、ロシアの永住権を簡素化された手続きで取得することに関心を示しているのは、主にユーラシア経済連合(ベラルーシ、カザフスタン、ロシア、アルメニア、キルギス)、CIS、中東、アジアの諸国だという。2023年のロシアへの投資額は、最大120億ルーブル(1ルーブル≒1.53 円)、その後数年間は、年間で最大400億ルーブルと推定されている。
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