サハリンからカリーニングラードにいたるまで、ロシアのすべての学童がこれらの言葉を耳にしたことがあるだろう。我々は、先生の「決めゼリフ」のなかから最もおなじみのもの、あるいは怖いものを思い出してみた。
しばしば生徒たちは、ノート、ペン、宿題を忘れる。すると、このセリフが放たれる。
「誰か黒板に答えを書けるかな?なるほど、『手の森』か」。「サインとコサインの違いを誰か知っているか?また『手の森』か」。みんなが手を挙げている様子を「手の森」と表現するのだが、誰も挙げないときに、皮肉でこう言う。そして、誰も答えない場合は、先生は名簿を開いてアルファベット順に指名する。
ベル(あるいはチャイム)は、先生に授業の終わりを知らせるが、生徒たちが宿題をノートに写すまでは、休み時間にならない。少なくとも先生はそう思っているわけだ。
あなたは、先生の席に座りたいと思ったことはあるだろうか?生徒がふざけていたり、本筋から外れた質問をやたらとしたりする場合に、先生がこんな「提案」をすることがある。まあ、実際にそうすることはほとんどないが。
授業に遅刻した?その場合、そのまま自分の席に着いて授業に参加するわけにはいかない。「然るべきやり方」で授業を受けなければならない。つまり、まずドアをノックし、先生とクラス全員に謝り、その後で自分の席に着くことが許される。
授業中ずっとクスクス笑っていたり、勉強以外のことをしゃべったりしていた生徒に対して、先生がこう言う。まあ、「熱力学の第二法則」より、放課後にどこに行くか決める方がずっと楽しいのは当然なのだが。
生徒が明日までにその学課をちゃんと覚えなければ、先生は鉛筆でつけた「2点」をボールペンでなぞるだろう(*ロシアの学校は5段階評価だが、「2」は事実上の最低評価だ)。すると、最終的な評価も下がる。しかし、これは明日のことなので、今日はまだ息をつける。窮地から抜け出すチャンスが残っているからだ。
理由はよく分からないが、教室の後ろの机は、「カムチャツカ」と呼ばれている――ロシアのどこか他の辺境の地ではなくて。概して、「カムチャツカ」は、劣等生や予習していない生徒のお気に入りの場所だ。ここなら、そんなに目立たないから。
隣の席の生徒の答えをカンニングした生徒はこういった類の言葉を聞いたに違いない。
先生がこう言うのは、生徒の態度が非常に悪いときなど、極端な場合に限られる。まず、先生は生徒の両親を面談に呼び出すが、場合によってはさらに校長のもとにも呼ぶ。怖いよう~。
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