ロシアのサッカークラブはなぜこんな変わった名称なのか(写真特集)

Anton Novoderezhkin/TASS
 あるクラブは長距離爆撃機Tu-16のレーダーシステムに因んだ名称を、別のクラブはローマで反乱を起こした有名な剣闘士に因んだ名称を持っている。

1. スパルタク(モスクワ)

 国内リーグで何度も優勝し、ソ連カップとロシア・カップを何度も制覇してきたロシア・サッカー史上最も伝説的なクラブチームは、共和制ローマで反乱を起こした奴隷や剣闘士の指導者スパルタクスに因んで1935年に名付けられた。着想の基になったのは有名な自由の闘士を描いたラファエロ・ジョヴァニョーリの同名小説で、この本は当時ソ連でとても人気があった。

2. CSKA(モスクワ)

 スパルタクスの不倶戴天のライバルCSKAはソビエト軍附属のクラブとして設立され、長らくその傘下にあった。CSKAは「軍中央スポーツクラブ」の頭字語だ。軍を連想させるサッカークラブは、モスクワの他にカザフスタンやタジキスタン、アルメニアにもある。現在ブルガリアにはCSKAが2つある。CSKAソフィアとCSKA 1948だ。

3. ディナモ(モスクワ)

 CSKAが軍の傘下にあった一方、ディナモは治安機関の庇護下にあった。クラブ名はうまく考えられたと言える。語源となったギリシア語のデュナミスは「力」を意味するからだ。現在ディナモの名称を持つその他の有名なクラブチームはキーウ(キエフ)とドレスデンにある。

4. ゼニト(サンクトペテルブルク)

 2008年UEFAヨーロッパリーグの覇者ゼニトは、ロシアの北の都サンクトペテルブルクを代表するクラブチームだ。スポーツの高みを目指す抑えきれない願望を象徴するゼニト(「頂点」)というクラブ名は、1940年に付けられたものだ。それまではスタリネツと呼ばれていた。

5. クリリヤ・ソヴェトフ(サマーラ)

 クリリヤ・ソヴェトフ(「ソビエトの翼」)という変わった名前は、第二次世界大戦中のソビエト空軍機、特に伝説的なIl-2攻撃機に由来している。チームが設立された1942年、この攻撃機の主な生産拠点だったのがサマーラ(当時はクイビシェフ)だった。

6. ロコモティフ(モスクワ)

 ロコモティフ(「機関車」)というこのサッカークラブの名称の由来は単純だ。チームは運輸通信人民委員部(省)の傘下にあり、初期にプレーしていたのは鉄道職員だった。

7. ルビン(カザン)

 噂では、タタールスタン共和国の首都を本拠地とするこのサッカークラブの名称は、現地工場で製造されているTu-16長距離爆撃機やその他の航空機に搭載されていたレーダーシステム「ルビン」に由来するという。

8. アルセナル(トゥーラ)

 トゥーラはロシアの軍需産業の都と見なされている。この街の工廠や企業は今日まで数世紀にわたってロシア軍に兵器を供給し続けている。このような歴史を持つ街に、このような名称のクラブが誕生したのは当然と言える。

9. シンニク(ヤロスラヴリ)

 1960年まで、ヤロスラヴリ・タイヤ工場を代表するチームは、ヒミク(「化学者」)の名で活動していた。これがおかしいと感じていた多くのファンの請願により、クラブはシンニク(「タイヤ工場労働者」)に改称された。

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