三つ編みはロシアの伝統的な女性のヘアスタイルである。女性にとって三つ編みは聖なる意味を持つとともに、ステイタスを表すものでもあった。その昔、髪型はその女性が未婚者か婚約者か既婚者かを知る手がかりであった(これについてはこちらの記事をどうぞ)。しかし、どんな三つ編みが「ロシア風」と呼ばれているのか、そしてそれは他のヘアスタイルとどう違っているのだろうか?
ロシアの女性たちは、3本の同じ長さの束をとって簡単に編むことができるもっともシンプルな三つ編みを「ロシア風三つ編み」と呼んだ。髪の束を3本に分け、右と左の束を真ん中の束と絡めるように編んでいき、最後にリボンをつける。
歴史的に、ロシアの女性たちは常に頭を何かで覆っており、古い肖像画を見ると、女性たちはスカーフかココーシニクをつけ、その下から1本または2本の三つ編みを垂らしている。未婚女性は1本の三つ編み、婚約者はリボンをつけた三つ編み、そして既婚者は2本の三つ編みをした。女性たちは三つ編みを頭の周りに巻き付け、スカーフの中で留めることも多かった。
左:ココーシニクとウエディングベールをつけている女性、右:『蜜酒の杯』、コンスタンチン・マコフスキー作
Murom History and Art Museum; Public domain現在、女性のステイタスと髪型の間にかつてのような関連性はなく、好きな数の三つ編みをする。ロシア風三つ編みはファッションショーでも、通りでも、職場でも目にすることができる。また三つ編みは制服を着たときの髪型にもなった。というのも、見た目がきちんとしているだけでなく、動いたり作業するのに楽だからである。
ドモジェドヴォ空港での鳥類学者
Kirill Kalinnikov/Sputnik下だけでなく、上の部分もゴムで留めた三つ編みは、テニス、バスケットボール、バレーボールの選手など、ロシアのアスリートたちがよくしている。乱れてこず、運動をするのに最適なスタイルなのである。
バレーボール選手のアンナ・マロワ
Yevgeny Biyatov/Sputnik華やかな場でのヘアスタイルも三つ編みをベースにしている。最近のファッションニュースでは、ロシアのスタイリストがファッションモデル用に、伝統的ながらも洗練された複雑な編み方の三つ編みを披露している。
メルセデスベンツファッションウィーク・ロシアにて
Yevgeny Biyatov/Sputnikまた通りを歩いていても、ロシアの女性が三つ編みをヘアスタイルの一部に取り入れているのを目にすることができる。
これは、フレンチブレイドという呼び方で知られる古くからある編み方だが、これもロシアでは人気がある。頭の上から三つ編みに少しずつ両サイドの髪を足していく編み込みである。上から見ると麦の穂に似ているのでそう呼ばれるようになった。
モスクワ・ファッション・ウィークにて
Yevgenya Novozhenina/Sputnikこのヘアスタイルにはたくさんのバリエーションがある。たとえば、上から編み始めて下で終わるものもあれば、編み込みしたものを頭に巻き付けたり、編み込みを何本も作ったりすることもできる。
モスクワ国際映画祭にて
Sergei Bobylev/TASSまた「ダッチブレイド」と呼ばれるのは、裏編み込み。これを編むには一定のスキルが必要だから、ロシアの女の子たちは毎日編んでいない。
こちらは3本ではなく、2つの束で編んでいく、文字通り「魚の尾」に似た編み方。いくつかのフィッシュテールを使った複雑なヘアスタイルは「ギリシャブレイド」と呼ばれる。「フィッシュテール」を広く編んだものをロシアでは「イングリッシュブレイド」と呼ぶ。興味深いことに、イギリスでは、ロシアのベーシックな三つ編みを「イングリッシュブレイド」と呼ぶのだそうだ。
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