ロシアのカリスマロールモデルにインスピレーションを得て作られたバービードール5つ(写真特集)

 バービー人形は世界共通の希望とロマンスの言葉であり、しかも成功のシンボルだと言われている。この人形は間違いなくセクシーで美しく、長い脚や素晴らしいスタイルは言うまでもなく、彼女の名声、女性らしさ、衰え知らずの若さは女性たちの羨望を集めている。

 ロシア人女性の姿にインスピレーションを得たバービー人形がこれまでに作られてきた。マテル社が世界戦略として少女たちに成功の未来を創造してもらいたいとして展開しているプロジェクトの一環である。2019年、史上もっとも有名な人形であるバービーは60歳の誕生日を祝った。

1. アンナ・キキナ、宇宙飛行士

 アンナ・キキナは、子供の頃、宇宙飛行士になりたいと夢見たことはなかった。しかし、今彼女はロシアの宇宙開発機関、ロスコスモスという男性中心で構成されている集団で唯一の女性宇宙飛行士として活躍している。アンナは今まで実際に宇宙に飛び立った経験はないが、2017年11月に、「シリウス」と名付けられた実験的なプロジェクトの一部となっている月面飛行のシミュレーションに参加した。この37歳の女性は、訓練がない時にもラフティングやスカイダイビングなでで技術に磨きをかけるのに余念がない。

 このキキナを模した人形は2021年に発表された。濃い青のフライトスーツと宇宙服を着たものがある。

 しかし、バービー人形のモデルになったロシア人宇宙飛行士はキキナが初めてではない。1965年にこの会社は、1963年6月16日に女性として初めて宇宙に行ったワレンチナ・テレシコワの人形を製作している。

*もっと読む:8年ぶりに女性飛行士が国際宇宙ステーションに向かう。この女性飛行士とは一体どんな人物なのか? 

2. ナタリヤ・ヴォジャノワ、トップモデル

 スーパーモデルであり、女優であり、慈善家であり、5人の子供の母であるナタリヤ・ヴォジャノワ(「スーペルノワ」と言うあだ名でも知られている)は、美くしく、優雅で、気配りの人そのものである。彼女の設立したネイキッド・ハーツ児童基金は、子供たちが安心して遊べる児童公園をロシアに数多くつくった。今彼女が取り組んでいるのは、障がいがあったり、特別な援助を必要としている人たちに開かれた共生社会をつくることである。ニジニ・ノヴゴロドで、苦しい生活の中、より良い暮らしを求めてもがいていたナタリヤは、幼い少女が夢をもつことがどれだけ大切かを身をもって知っている。彼女は子供の頃、労働者階級の親をもつ家庭の暮らしを助けるために路上で果物売りをしていた。彼女の人生はまさにシンデレラ・ストーリーで、ナタリヤは貧しさと絶望から抜け出して、フランスの上流階級までのぼりつめたのだ(英国貴族ジャスティン・ポートマンとの10年間の結婚生活の後、LVMHの創設者ベルナール・アルノーの息子であるアントワーヌ・アルノーと再婚した)。

 ナタリヤに似せたバービー人形は2017年に発表され、真っ赤なカクテルドレスに白のフェイクファー・コートを着せ、ヴォジャノワの比類なき見事な容姿を表している。

3. リアサン・ウチャシェワ、体操選手

 新体操選手の多くが自らの名のついた技を持つという栄誉を手にできるわけではない。ロシアのリアサンは時代を超えてもっとも技術的に優れた新体操選手だと言われている。彼女は2度のグランプリファイナルでオールラウンドのメダリストになったが、足の大けがのため2008年の北京オリンピック出場がかなわなかったばかりか、アスリートとしてのキャリアも終わりとなってしまった。しかし、それでも、彼女ははがねのような強い精神力で、気持ちを入れ替え、テレビの世界に飛び込んで成功する。元新体操選手は「The Dance」というテレビのリアリティーショー番組のホスト役になった。 この番組は、ロシアで大きな人気を獲得し、7年間も続いた。

 2019年に発表された、リアサン・ウチャシェワをモデルにしたバービー人形はクルミ色の長い髪に、美しい茶色の瞳を持ち、クリス・デ・バーの1986年のヒット曲「The Lady in Red」の完ぺきなイラストと言えるものになっている。この人形は、目にも鮮やかな印象的な赤いイブニング・ガウンをまとっている。

4. モスクワ地下鉄の運転士

 運転するクルマを見ると運転手のことがよく分かると言われる。クルマでなく、電車の運転士ならばなおさらだ。列車の運転は男の仕事だと信じている人が今でもいる。しかし女性たちは、男性と対等になんでもできることを今まで証明してきた。ロシアの首都で最初の女性の電車運転士が登場したのは、何十年も続いていた禁制がようやく破られた2021年のことだ。これを祝して地下鉄ブランドのバービー人形が同年に製作された。

*もっと読む:30年ぶりに女性が地下鉄の運転士に(写真特集) 

 この人形は濃い青のブレザーにペンシルスカートを穿き、独特なモスクワ地下鉄のロゴがついた帽子を被っている。

 箱には「なりたいと思えばなんにでもなれる」というスローガンが書かれている。結局のところ、スケジュール通りに運行されていれば、誰が運転していようが問題ないということなのだ。

5. ロシア帝国の王妃

 ロシアの女性というものは誰でも、着飾った王妃と同じように物事にこだわるものである。このことを鑑みて、マテル社は2005年にロシアの文化と歴史を若い少女たちに思い起こさせる人形をつくった。

 髪を三つ編みにしたこの人形は、ドレス、ブーツ、王冠などあらゆるものを身に着けている。しかし、この人形の装いは、歴史的に見ると、王妃としては必ずしも正確であると言えない(農家の娘のようなドレスを着ている)。それでもこの人形は「ドール・オブ・ザ・ワールド」コレクションに付け加えられるにふさわしい。

「ロシア・ビヨンド」がLineで登場!是非ご購読ください!

もっと読む:

このウェブサイトはクッキーを使用している。詳細は こちらを クリックしてください。

クッキーを受け入れる