2022年1月、ロシア北西部は特別なものとなった。サハ共和国ほどの気温になったわけではないが、記録的な量の雪が降っているのである。インスタグラムには、冬のおとぎ話のような光景を捉えた写真が大量にアップされている一方で、実際の生活では、人々は大変な試練を強いられている。公共機関の除雪作業員らは雪だまりを処理しきれず、市民ら自ら交通のための道を作り、シャベルを手に、雪かき作業に追われた。
普段の通勤路は障害物競走さながらとなった。一晩で15〜20センチの雪が降った日には、最初に「道を切り開く」先駆者になる覚悟をした方がよい。まず最初にすべきことは、地下鉄駅あるいはバス停までの「アリの道」を作ることである。もしあなたが、かつての都ペテルブルクの歴史的中心部で働いている幸運な人であるなら、障害物競争を制さなければならない。積もった雪の下に氷が隠され、頭の上には鍾乳石のような長い氷麗がぶら下がり、それが落ちてくるかもしれないのである。
自動車を所有している人たちもけして楽とは言えない。除雪車部隊が出動しているせいで、街には数キロに及ぶ渋滞ができている。路肩や住宅地に自動車を駐車するのは、有利な保険をかけている人(氷麗が落ちたときの保険があるなど)、あるいは時間とシャベルを持っている人にしかお勧めできない。
少し暖かくなっても、状況が改善されるわけではない。ペテルブルク市民はスキー靴の代わりにゴムの長靴を履き、融けかけた灰色の泥や水をきれいにしなくてはならない。
このカオスの原因となったのは、ロシアヨーロッパ部を覆った北大西洋低気圧「ナージャ」である。
ペテルブルクの人々は頑強である。そこで、この天からの災いとの闘いには、身体の不自由な人も加わった。
こちらは、レニングラード包囲を経験したほどの高齢女性。公共機関に電話が通じないため、たまらず自ら家の前の除雪を始めた。
もっと勇敢な人たちは、自転車で中心部を移動する。配達人だけではない。
ネコも除雪に参戦!
機知に富んだ一部の市民は、早く除雪作業をしてもらおうと、雪だまりに市の指導部に対する皮肉たっぷりなメッセージを書いている。
こうした中、ペテルブルク市は、2月1日の1日だけで、市の道路から4万2,000立方メートル以上、寒波が来てから合わせて270万立方メートル以上を除雪したと報告している。市の広報部は、「これは昨年の冬の除雪量の2倍に当たる」とし、1,200人ほどの作業員と数千の除雪車を使って、24時間体制で、雪や氷の除去作業を行なっていると強調している。
しかし実際のところ、ペテルブルク市民はまだ2ヶ月も冬を過ごさなければならない。ロシア北西部の春の訪れはまだまだ先である。レニングラード動物園のウッドチャック、イジョリクとアヴグスチンもこのことを予言している。2月2日にに祝われる「グラウンドホッグデー」に2匹は寝坊したのである。
「伝統的に、ウッドチャックは、2月2日に穴から出てきて、自分の影を見てびっくりすると、春はその6週間後に訪れると言われています。静かに家を離れた場合は、これ以上寒い日はないということです。今年のペテルブルクの冬は適度な寒さですが、雪が多いんです。ウッドチャックのイジョリクとアヴグスチンは穴の中でぐっすり寝ていて、まだ起きそうにありません」とレニングラード動物園は発表している。
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