この洗練された土偶は、アムール川下流地域の原始的芸術だ。土偶は、1963年にハバロフスク地方のコンドン村近くでソ連の有名な考古学者アレクセイ・オクラドニコフによって発見された。土偶の通称は、村の名による。
彼によれば、このフィギュアは、女性美の一般化されたイメージであり、とても美しいので、この像だけでどんな空間も飾ることができる。たとえば、ベルリン国立博物館所蔵にある、かの伝説のネフェルティティの胸像がそうであるように。こうした偶像は、カルト的、儀式的な意味をもち、家屋の聖域に置かれた可能性がある。
考古学者・歴史家のニコライ・スミルノフによると、これは、20世紀初めにザバイカル(バイカル湖東方の地域)で偶然発見されたという。この彫塑のレベルは信じ難いほどのものだ。それは軍事的および宗教的機能を有する人間の旗幟だったようだ。様式的には、古代シベリアのスキタイ人による、動物を模した遺物に類するものかもしれない。しかし、そのユニークな特徴は、この地域特有だ。
中央には、擬人化された女神像がある。しかし、手の代わりに翼が付いており、足には熊の爪がある。顔は鳥のような表情だ。
「非常に珍しいのは、彼女が二匹の蜘蛛の上に立って描かれていること。これは『下層』の世界を示しており、普通は蛇か蜥蜴が彫られる。2人の僕には明らかに人間の特徴があるが、その外見には動物の特徴をとり入れた点もある。女神の翼には、『上の』世界、つまり異界からの援助者が立っている」。スミルノフはこのように説明する。
沿バイカルで発見された偶像・剣のユニークな点は、それが実際には…携帯用の祭壇であることだ!
「寸法と製造上の特徴を考慮すると、これが本物の武器ではなく、カルト的なアイテムであることは明らか。さらに興味深いのは、剣は壊れているわけではなく、故意に3部分に分けて鋳造された点だ。これは、儀式を行うべき場所に聖域を設けるための携帯用偶像」。ニコライ・スミルノフはこう述べる。
これに類似した遺物は世界のどこにもない。鉄器時代の遊牧民が使用していた。
このいわゆる「シャーマン像」は、シベリア南東部のアンガラ川沿岸地域で発見された。一方で、これは驚愕した人間のリアルな肖像にも見える。
制作に際し、古代の芸術家は、貧弱な素材を駆使して、そのダイナミズムをできる限り伝えようとした。我々は、シャーマンが我々に何か叫んでいるらしいと分かる。考古学者たちによると、この像は、木製の偶像の一部、つまり顔の部分だったようだが、偶像本体は失われてしまった。
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