世界の印象的なロシア大使館トップ10

Legion Media; AFP
 北京からリーブルヴィルに至るまで、これらすべての印象的な建物にはそれぞれの物語がある。

10. 北京、中国

 北京のロシア大使館はその敷地面積において世界最大の在外公館の一つだ。北京の北東に位置する6ヘクタールの敷地には、かつて1716年から1956年までロシア正教会中国宣教団が置かれていた。

 本館に加えて、敷地内には教会、古文書館、居住区画、貿易使節団の建物、学校、サッカー場やテニスコートなどがある。

9. リーブルヴィル、ガボン 

 リーブルヴィルのロシア大使館は、西アフリカにあるガボン共和国の首都を走る目抜き通りの一つに位置している。大使館の建物群は1991年に建設され、ロシア政府が土地と建物を所有している。美しい本館の白亜の外壁は全面が薄い柱に覆われている。

8. ワルシャワ、ポーランド

 ワルシャワのロシア大使館が置かれている建物は本物の宮殿と比べても遜色のないものだ。ソ連の建築家たちによる設計で、建築素材もソ連から輸入したものを使い、1955年に人工の丘の上に建設された。

 二つの翼棟を持ち、その間の中央棟には幾つかの踊り場が設けられた広々とした吹き抜けの階段がある。宮殿のようなこの大使館は、約8000本もの木が植えられている公園の中央に位置している。

 7. ハバナ、キューバ

 ハバナのロシア大使館は、その形が剣にたとえられることもある風変わりな高層建築に置かれていることで有名だ。約10年にわたる建設期間を経て、ソ連の建築家アレクサンドル・ロチェゴフによる設計の建物は1987年の11月に完成した。

 キューバの暑さを和らげるため、開口部の小さな窓や日除けの庇、日光を遮断した通路や奥行きのある開廊など、建築家の工夫が随所に見られる。

6. ローマ、イタリア

 イタリアのロシア大使館は「アバメレク」と名付けられた美しいヴィラに置かれている。1907年にこのヴィラを購入し、かつての所有者の一人であったロシア人貴族セミョン・アバメレク=ラザレフ伯爵にちなんだ呼称だ。大使館はバチカン市国の近くに位置し、敷地の総面積はこの都市国家に匹敵する。アバメレクの地下にはトンネルが通っており、バチカンとイタリアの道路網に繋がっていると言われている。

5. ワシントンDC、アメリカ

 ワシントンDCのロシア大使館はウィスコンシン・アベニューのマウント・アルト地区にある。現在、大使館が建っている場所は1969年に85年間の貸借契約でソ連政府に提供されたものだ。1972年には、新しい在モスクワ米大使館の敷地としてアメリカ政府に(ワシントンDCのロシア大使館と)同じ広さの土地を同じ期間貸与する対称協定が結ばれた。

 この印象的な建物の設計は、クレムリン宮殿などを手がけた著名なソ連の建築家ミハイル・ポソーヒンが手がけた。合衆国首都で最も人目を引く堂々たる大使館だと言われている。

 1980年代後半、FBINSAは情報収集のため大使館の地下にトンネルを作った。しかし、FBIの諜報員ロバート・ハンセンがトンネル建設の情報をKGB側に漏らしたため、結果としてこのトンネルが諜報活動に利用されることはなかった。

4. ベルリン、ドイツ

 19世紀初頭、ロシア帝国はプロイセンに常駐外交使節団を置くため、ベルリンに2階建てのロココ様式の建物を購入した。その後、在外公館として改築され、ロシア外交官のために執務室や宿所が設置された。ロシア皇帝がベルリン訪問中に滞在できるよう別の区画も用意された。

 ヒトラーの軍がソ連に侵攻した1941年にソ連外交官は追放され、建物は封鎖された。戦後、東ドイツとの国交を樹立したソ連は同じ場所に新しい建物を建設することにし、ベルリンの新ソ連大使館開館式は1952年に行われた。この新しい建物には社会主義リアリズム建築の様式が採用されている。

3. ヘルシンキ、フィンランド

 ヘルシンキのロシア大使館が置かれているこの印象的な建物は1952年に建てられた。全体の設計はソ連の建築家アナトーリー・ストリジェフスキーによるもので、フィンランド政府が建設費を出資した。モスクワのロシア外務省と同様に、社会主義リアリズム建築またはスターリン様式として知られる建築様式で設計されている。

 建物の正面には歴史への敬意を込めてソ連崩壊後の今もソ連の国章が保存されている。

2. ハーグ、オランダ

 ハーグのゾルフヴリート公園内にある「デマンガン」と名付けられたヴィラを1945年に初めてソ連が借り受けて以来、ここにオランダのロシア大使館が置かれている。「デマンガン」はマレー語で「公僕の家」を意味する言葉だ。この風変わりな名は、ヴィラの前所有者であり、スマトラで軍事作戦に参加していたストフという名のオランダ軍中佐に由来する。

 ヴィラの初期設計によれば、住居部分は中央ホールの周りに配置されていた。上階にはベッドルームが4つとラウンジ、リビングルーム、そして屋根裏には使用人たちの部屋に加えて暗室もあり、ゲストルームも2つ用意されていた。

 オランダがナチスドイツによる占領から解放された1945年にソ連は在外公館設置のためこのヴィラを借り受け、1964年に購入した。

1. ベルン、スイス

 ロシアとスイスには約200年間に及ぶ外交関係がある。スイスにおけるロシア外交使節団駐在の歴史を通じて、その公館所在地は何度か変更された。1917年のロシア革命後に断絶された二国間の外交関係がようやく回復したのは1946年のことだ。

  1948年、ソ連はベルンに在外公館を置くため一つの邸宅を借り、1965年に購入した。ブルナーダーンライン37に位置するその印象的な邸宅こそが1991年のソ連崩壊後にロシアが受け継いだものだ。

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