太陽がさんさんと降り注ぎ、畑が地平線まで伸び、自然の恵みがあふれるロシア南部のクバン地方において、この慎ましやかなかぼちゃは最高の地位に君臨している。かぼちゃは、この地方で カバク と呼ばれており(ロシアの別の地域ではトゥイクバ )、それがこの人気の料理「カバシの粥」の名前の由来となっている。この大切なレシピは、コサックの料理人たちの間で、世代を超えて受け継がれてきた。
一般的なレシピでは、畑で採れたばかりの新鮮な甘いかぼちゃをまず、生き生きとしたオレンジ色のキュービック状にカットする。ゴールドがかったオレンジ色をした宝石のようなかぼちゃを鍋に重ねて並べ、そこにゆっくりとクバン米またはアワを入れ、砂糖をふりかける。この状態になったら、鍋にお湯または牛乳を注ぎ、オーブンに入れて、数時間、忍耐強く煮る。
魅力的な香りがキッチンに漂ってくれば、少しずつ時間がゆっくりと流れるように感じられ、食べたい気持ちが高まってくる。かぼちゃの持つ本来の甘さに、穀物の素朴な香りが加わる。お粥が完成したら、深めの器にそっと取り分け、上に、薄く切った手作りバターをたっぷりと乗せる。さあ、コサックのかぼちゃの喜びの一品を一緒に味わってみよう。
1. お米の調理から始める。お米は水できれいに洗い、鍋に入れ、お米の2倍の量の水を注ぐ(お米が120㌘なら、水は240ml)。大切なことは、お米を煮すぎないこと。
2. かぼちゃは皮をむき、種を取り除き、小さな角切りにする。
3. かぼちゃを鍋に入れ、牛乳を注ぎ入れ、かぼちゃが柔らかくなるまで、中火で煮る。牛乳が沸騰してから、かぼちゃが柔らかくなるまで、20分ほど煮る。調理時間はかぼちゃの種類によって異なるが、柔らかくなるまで煮るのがポイント。
4. 柔らかくなったら、かぼちゃを牛乳の中でつぶし、ピュレー状にする。この工程はブレンダーを使ってもよい。
5. 煮たお米に4のかぼちゃのピュレーを加えて、よく混ぜ合わせる。砂糖、バニラシュガー、塩ひとつまみを加え、もう一度、よく混ぜる。
6. 伝統的に、このかぼちゃの粥は土鍋を使って、オーブンで作られるが、オーブンがなければ、鍋と普通のコンロでも作ることができる。
7. 土鍋に少量のバターを塗る。残ったバターは粥に加え、混ぜる。
8. オーブンを180℃に予熱する。蓋をした土鍋をオーブンに入れる。吹きこぼれを防ぐため、粥を鍋の高さギリギリまで注がないこと。
9. 予熱したオーブンで1時間ほど加熱する。ふわっと柔らかくて、香り豊かな粥になったら、取り出し、サーブする。
どうぞ召し上がれ!
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