ロシアのブリヌィの人気レシピ3選

ロシア料理
マリア・ブニナ
 田舎のおばあちゃんが焼いてくれたようなふわふわのブリヌィ(ロシア風クレープ)、あるいはまるでレース編みのような薄い穴あきのブリヌィはどうやって作るのか?ロシアで人気のレシピを紹介しよう。

1. ふわふわブリヌィ

 伝統的なロシアのブリヌィはふわふわであるべきとされている。作家のアントン・チェーホフは、短編小説「無常について」の中で、この食欲をそそるふわふわな状態を、「商人の娘の肩」と比較している。

 かつて、ふわふわブリヌィを作るには、特別な生地を作り、かまどで焼かなければならなかったが、今やそのプロセスは簡素化され、一般的なイースト菌を使って作ることができるようになった。とはいえ、「おばあちゃんが作ってくれたような」ふわふわのブリヌィを焼くには、生地を少なくとも1時間は休ませておいたほうがよい。

材料(およそ20枚分):

作り方:

1.  温めた牛乳(30~35℃)にイーストを溶かす。

2.  小麦粉、砂糖、塩を合わせ、牛乳を加えて、よく混ぜる。卵はフォークで軽く泡立てて、生地に加え、混ぜ合わせる。

3.  バターを溶かし、生地に加え、混ぜる。

4.  生地をふきん(またはラップ)で覆い、暖かい場所に1時間半ほど置いておく。その後よく混ぜ、もう一度、休ませて膨らませる(1時間半ほど)。ドライイーストを使った場合は、1度、1時間ほど膨らませればよい。生地が膨らみ、表面に気泡がたくさんできているかを目安にする。

5.  底の厚いフライパンを火にかけて熱し、植物油をひく。

6.  ブリヌィの生地はおたまを使って流し入れ、フライパンを回しながら、きれいな丸になるよう生地をフライパンの表面に広げる。

7.  フライパンに蓋をし、両面それぞれ2分ほど焼く。

8.  焼けたら、皿に取り、両面に溶かしたバターを塗る。ふんふわブリヌィには牛乳、サワークリーム、ヴァレーニエ(ジャム)、ハチミツ、イクラ、小さくカットしたサーモンなどを添えるとよい。

2. 薄いブリヌィ

 このブリヌィは生地の弾力と気泡で作られた美しい模様が特徴である。その作り方の大きなポイントは、生地に熱湯を注ぐ点にある。短時間で作れるが、おいしすぎてあっという間になくなってしまう。

材料(25枚分):

作り方:

1. 深いボウルに卵を3つを割り入れ、塩ひとつまみを加える。ミキサーで泡が出るまで泡立てる。

2. 砂糖、室温に戻した牛乳を半量加えて、よく混ぜる。

3. ふるった小麦粉を加えたら、ダマができないようしっかり混ぜる。

4. 残りの牛乳を加えて、さらに混ぜる。

5. コップ1杯の熱湯を注ぎ入れ、泡立て器で素早く混ぜる。

6. 植物油を加えて混ぜたら、10分ほど休ませる。

7. フライパンに植物油をひき、熱したフライパンで、黄金色に色づくまで両面を焼く。

 薄いブリヌィは、そのまま食べるか、中に好みの具を入れ、くるくると巻いて食べる。

3. 混ぜ込みブリヌィ

 ブリヌィは基本的にどんな具とも相性がよいが、この混ぜ込みブリヌィは、具を最初から生地に加えてしまうのが特徴である。混ぜ込むものとしてもっとも一般的な食材は、カッテージチーズ、きのこ、ネギ、ゆで卵、塩漬けの魚、おろしたチーズ、あるいはベリー類やフルーツである。

材料(25~30枚):

作り方:

1. ボウルに温めた牛乳(30~35℃)を入れ、同じ温度のぬるま湯を注ぎ入れる。

2. 卵、塩、砂糖を加え、かき混ぜる。

3. 別の生地用のボウルに小麦粉とイーストを入れる。

4. [3]の生地に卵液を少しずつ加え、泡立て器でかき混ぜる。ボウルをラップで覆い、暖かい場所に1時間ほど置いておく。

5. この間に具を作る。マッシュルーム(別の種類のきのこでもよい)は洗って、刻む。玉ねぎもみじん切りにする。色鮮やかにするため、新鮮なハーブや葉物野菜(ディルやパセリまたはほうれん草)を加えると良い。具は植物油をひいたフライパンで5分ほど炒める(きのこの種類によって調理時間は異なる)。

6. 生地が膨らみ、表面に気泡が出来てきたら、植物油を加えて、混ぜ、さらに20分ほど寝かせる。焼く前に生地をもう一度、混ぜる。

7. フライパンを十分に熱して、植物油をひく。

8. おたまで生地を流し入れ、上に具を乗せたら、フライ返しで少し押さえて、具を生地に馴染ませる。

9. 中火にし、ブリヌィが色づくまで焼いたら、裏返して、裏面も焼く。盛り付ける前に、もう一度、バターを塗ってもよい。