かつて、肉や魚、あるいはベリーのゼリー寄せというのはロシアでとても人気があった。中でももっとも有名なのが、ストゥーデニ、ホロジェッツ、そしてザリヴノエで、いずれもそれぞれにユニークな味わいの料理である。最初の2つの料理の名前はどちらも、ロシア語で、それが冷たいものであることを指している一方、3つ目の名前は上から何か注がれたものであることを意味している。しかしながら、ストゥーデニは伝統的に肉が少し入ったグレーのゼリーで、一方のザリヴノエは多くの場合、魚料理であり、より洗練された食感のものである。またザリヴノエは、ゼラチンまたは寒天を加えて作られる。
18世紀末から19世紀初頭にかけて、ヨーロッパのシェフが大量にロシアにやって来て、地元の伝統的な料理をより上品でより優美なものにした。そして、その時代、ストゥーデニは変容を遂げた。フランス料理から借用された革新技術で、シェフたちはブロスをより軽いものにし、卵白を使うことで、より澄んだものにしたのである。「ガランティーヌ」という新しい言葉は、ゼラチンを意味するフランス語の名前を借用し、生まれたものである。
現在、わたしたちが日常使う言葉の中で、ストゥーデニとホロジェッツの違いはほぼなくなった。そこで、19世紀半ばのホロジェッツという言葉が、現在のホロジェッツ――濃厚なブイヨンの中に小さな肉を入れて作ったもの――とほぼ似ていないことを知ることは特別に興味深いことである。
帝政時代、ホロジェッツはフルーツのゼリー寄せ、または甘い冷製スープなど、甘い料理として描写されていた。たとえば、エレナ・モロホヴェツも、料理本「若き主婦への贈り物」の中で、ホロジェッツというお菓子のレシピをいくつか紹介している。そこにはアルコールを入れたものもあれば、入れないものもあった。ノンアルコールのホロジェッツに、彼女はクリームまたはサワークリームを加え、ビスケットやアイスクリームを添えたデザートとして出した。
そんなレシピを現在の味覚に合わせて作ってみるのは非常に興味深い。ここで作ってみる現代アレンジ版のレシピは、りんごのピュレとすぐりのジュースで作るノンアルコールの甘いホロジェッツである。りんごには十分なペクチンが含まれているので、このゼリーのデザートを作るのにゼラチンは使わなくてよい。これは本当に簡単に作れるデザートであり、そしてその味はあなたをきっと驚かせるに違いない。では、やってみる準備はいいかな?
1. まずりんごの用意をする。りんごは洗って、小さく切る。
2. 鍋に切ったりんごとシナモンを入れ、水700mlを注ぐ。少し沸騰したら、りんごが柔らかくなるまで30〜40分煮る。
3. りんごが完全に柔らかくなったら、鍋を火から下ろす。
4. ブレンダーに入れ、シナモン入りの水を使ってりんごがなめらかになるまですり潰す。
5. 濾し器で濾し、皮や大きな塊を取り除き、なめらかなりんご汁にする。
6. レモンを搾る。
7. 濾したりんご汁(これが「ブロス」になる)にレモンジュース60mlとすぐりのジュース60mlを加える。すぐりのジュースは市販のものでもよいし、ベリーを絞って作ってもよい。ちなみに、ベリーを入れて作ってみることもできる。
8. 200mlのりんごジュースを注ぎ入れ、砂糖200gを加えたら、砂糖が完全に溶けるまでかき混ぜる。
9. 鍋を再び火に戻し、中火にかける。さらに5分煮て、すべての味がうまく混ざり合うようにする。
10. 煮立ったら、鍋を火から下ろす。りんごのジュースを小さな型または大きなお皿に注ぐ。ホロジェッツを室温まで冷ましたら、冷蔵庫に移す。
11. 数時間(できれば一晩)寝かして、冷やし固める。1時間ほど冷凍庫に入れて、アイスクリームのようなテクスチャーにすることもできる。
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