「ユビレイノエ」:皇帝一家のために作られた、今も人気のクッキー

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 ロシアの誰もが知っていて、誰もが大好きなクッキー、「ユビレイノエ」。サクサクしたショートクラスト生地で作られた、ほどよい甘さの四角いクッキーである。食べ方はいろいろある。そのまま食べてもよいし、上にバターやチーズを乗せてもよい。また子どものおやつにもなれば、仕事の合間のちょっとした間食にもなり、そしてお茶の時間にぴったりなお菓子でもある。つまり、真の庶民の軽食なのである。

 このシュガークッキーはわたしたちの祖母たち、ひょっとすると、曽祖母の世代にも愛されていたものである。馴染みのある赤いパッケージは、おそらくソ連時代、どの家の棚の中にも置かれていた。そしてこのクッキーは今でも「ボリシェヴィク」製菓工場で、すべての品質規格に準じて製造されている。

 しかし、このクッキーが「ユビレイノエ」と名付けられているのはなぜだろうか?(「ユビレイノエ」はロシア語で、記念の、祝賀のという意味)。ヒントを出すなら、10月革命の記念日とは関係がない。

1980年代の「ユビレイノエ」

 実はこのクッキー、あなたが思っているよりももっと古くから存在している。オリジナルのレシピは、ロシア宮廷の御用達であったスィウという名のフランス人が所有していたモスクワの工場「S.スィウ& Co.」のパティシエらが考案し、皇帝一家に進呈した。このロシアでもっとも有名な製菓工場の一つがソ連時代に国営化され、改称されたのが「ボリシェヴィク」である。

 最初に作られたクッキーは楕円形をしていて、箱には皇族たちの肖像画が描かれていた。なぜなら、そのクッキーは1913年のロマノフ王朝300周年に合わせて発売されたからである。しかしソ連時代になってからも、この独創的でよくできたレシピを消滅させるべきではないとの決定が下され、生産が再開された。

1913年の「ユビレイノエ」

 とはいえ、10月革命がまったく無関係に終わったというわけではない。1967年には、10月革命50周年を記念して、アヴァンギャルド芸術の雰囲気を取り入れた赤と白のひし形模様でデザインされたリニューアルパッケージが登場した。

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