トク・チョク(あるいはチョク・チョクとも呼ばれる)は、「タルカン」、つまり挽いた小麦粒と松の実と蜂蜜で作るキャンディーの形をしている。南シベリアのアルタイ地方の伝統的なお菓子である。ほとんど場合、3つの材料で作られるものの、その作り方はけして簡単ではない。
まず、「タルカン」とは何なのか。これは大麦または小麦の発芽したあるいは焙煎した穀物から作られるものである。アルタイの人々は穀物を正しく選別し、それを乾煎りしたり、挽いたりする適切な方法を知っている。私たちも同じようにやってみたい。
地元の人々はこのトク・チョクに香りゆたかなアルタイ山脈の蜂蜜を加える。そしてこのお菓子の味を最終的に決めるのは、正しい割合の自然の脂肪分を含むアルタイの松の実である。さて、このお菓子をアルタイ以外の地で作るにはどうすればいいのか。それは、ただ、あなたのお住まいの地域の手に入る最高の素材を使えば、それに見合った成果を得ることができる。
トク・チョクには、生地をなめらかにするために、時に牛乳やサワークリームが加えられることもある。この作り方をした場合は、出来上がったらすぐに食べたほうが良い。
トク・チョクは、祝日前には、動物の形にして作られる。アルタイの先住民族は、これらの動物の最高の特質―たとえばクマの強靭さ、亀の智恵など―を人間に与えることができると信じているのである。
お店や市場に行けば、さまざまな風味のトク・チョクを見つけることができる。またクラシカルなトク・チョクは松の実で作られているが、別のナッツを使って作ることもできる。このお菓子は砂糖を使っていないため、おいしいだけでなく、健康的でもある。
「タルカン」は「生きた食べ物」と呼ばれている。というのも、発芽した大麦や小麦は、その生物学的特性によって、人間の体の腸のはたらきを整えてくれるからである。また満腹感と元気をも与えてくれる。ただし、焙煎していない穀物やナッツには最大限に健康によいものが残されているが、焙煎することにより、クリーミーな味わいとカラメルの風味が加えられる。
ここでは店で手に入る材料を使っているが、伝統的なレシピに忠実に再現している。トク・チョクは柔らかくて、ジューシーで、とても良い風味に仕上がる。
1. 小麦粒は洗って、埃やよごれを取り除く。
2. 熱したフライパンで(油を引かずに)乾燥させる。
3. 穀物が茶色く色づき、香りが出てくるまで、混ぜ続けながら、弱火にかける。
4. バットなど広めの容器に穀物を移し、冷ます。
5. 松の実は軽く色づくまで炒める。
6. 冷ました穀物を挽いて、小麦粉にする。小麦粉の質が良ければ良いほど、より繊細なクッキーが出来上がる。
7. ナッツを挽く。ここではナイフで砕く。
8. 小麦粉とナッツを合わせる。合わせたものを大さじ1ほど傍に置いておく(後でふりかけるため)。
9. 蜂蜜スプーン1杯を一度に加え、状態を見る。蜂蜜の濃厚さによって、生地が均等になる速さが異なってくる。
10. ここで使う蜂蜜は濃厚であるため、牛乳小さじ2を加える。
11. 柔らかい小さなボールが作る。
12. 小さじを使って、キャンディー1個ずつの分量を取り分ける。
13. 取り分けた小さなボール玉を手のひらで延ばす。それぞれに小麦粉とナッツをふりかける。
14. 小麦粉を蜂蜜と牛乳に浸透させるため、数時間おいておく。
15. 伝統的なハーブティーにミルクを入れたもの、あるいは紅茶と一緒にいただく。
16. どうぞ召し上がれ!
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