オセチアのパイは北カフカス地方でもっとも有名な料理の一つである。パイは古代から、中にたっぷりのフィリングが入った丸くて薄い生地のフラットブレッドとして知られている。ちなみにフィリングといえば、カボチャや豆、ジャガイモ、さまざまな葉物野菜のようなベジタリアン向けのものから、肉入りのものまで数十もの種類がある。このチーズとビーツの葉が入ったポロポロとしたパイはツァハラジンと呼ばれる。
ビーツというのはロシアでとても一般的な野菜でありながら、その葉はなかなか目にすることがない。ここでは両親の畑で取れた葉を使っているが、ビーツのシーズンになるとファーマーズマーケットでも見つけることができる。
ビーツの葉は独特の苦い酸味があり、これがチーズのフィリングとよく合う。ビーツの葉の入ったパイを作るのが好きな人は、夏の間に冷凍して保存しておき、それを1年中、好きな時に使う。
幸運なことに、ビーツの葉がない場合にはより簡単に見つけることができる、ビーツの葉によく似たマンゴルト(フダンソウ)を使うといい。そんなわけで、食料品店でもし見つけたら、買っておこう。
チーズはこの料理においてもう一つ重要な食材である。オセチアあるいはアディゲのチーズが買えなければ、固めのフェタチーズを代用できる。実際、焼いている途中で溶けない、ぽろぽろと割れるマイルドなチーズも使うことができる。
またトヴォーログ(カッテージチーズ)と種類の違うフェタチーズを混ぜて使うという方法もある。トヴォーログを加えることで、フィリングがよりジューシーで味に深みが出る。
1. 少し温めた牛乳(熱さないこと!)に砂糖、ドライイーストを加え、完全に溶けるまでかき混ぜる。
2. 1を大きなボウルに入れ、小麦粉と塩をふるい入れ、フォークまたはスパチュラで混ぜる。
3. 次に、植物油を加え、ミキサーあるいは手で混ぜる。なめらかで少し粘りのある生地になる。
4. 3をラップし、温かい場所において発酵させる。45〜90分かけて2倍にする。
5. その間にフィリングを作る。ビーツの葉は小さく刻む。お好みで葉物野菜を加える。ほうれん草、ネギ、ディルなどなんでもよい。
6. チーズはおろすか手でくだき、刻んだ葉物野菜とトヴォーログと混ぜる。これがフィリングとしては最高の組み合わせである。チーズに塩味がなければ、塩をひとつまみ加える。
7. フィリングを3等分し、それぞれを手で丸める。
8. 生地のガス抜きをし、3等分する。それぞれを手で丸める。
9. 一つずつ作業する。丸めた生地を少し伸ばし、真ん中にフィリングを置く。
10. パイを成形する。ここがオセチア・パイのレシピのポイント。生地の端をフィリングの上でまとめ、きっちりと閉じる。
11. ボールを裏返し、閉じた部分を裏にして、全体をそっと伸ばして平らなパイにする。(作業は手で)
12. めん棒を使って伸ばし、最後に真ん中に小さな穴を開ける(蒸気を逃すため)。
13. 240℃のオーブンで7〜10分焼く。残りの2つの生地も同様にする。
14. オーブンから取り出したらすぐにたっぷりのバターを塗る。熱々でも冷めてもおいしい。
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