ロシア料理を作るのに砂糖がたくさん使われるようになったのは19世紀の半ばになってからである。それまでは長い間、砂糖の代わりにハチミツが使われていた。そこで、今でもロシア料理のレシピでも、砂糖をハチミツに置き換えることは容易である。いくつかのデザートにはハチミツすら要らない。フルーツやベリーを使ったデザートは十分に甘くておいしい。
「ロシアの」シャルロートカはフランスのシェフでパティシエのアントワーヌ・カレームのおかげで生まれた。彼は19世紀の初めにロシア軍がパリを占拠したあと、ビスコッティ・サヴォイアルディとカスタードクリームと生クリームを使った優雅なリンゴのパイをアレクサンドル1世のために考案した。
このレシピがロシアで一般市民の間にも広がり、より簡単に作れるものになった。口当たりのよいリンゴのパイを作るのに今では珍しい食材は必要ではなく、小麦粉、リンゴ、卵、ソーダがあれば十分である。
伝統的なレシピでは砂糖を使うが、ハチミツで代用することもできれば、リンゴが甘ければハチミツすら使わずに作ることができる。
1. リンゴは洗って、乾かし、芯を取り除いて、くし切りにする。リンゴとハチミツを合わせ(ハチミツは加えなくてもよい)、混ぜる。お好みでバニラとシナモンを加える。
2. 乾燥した器に冷蔵庫から取り出した卵を割り、塩ひとつまみを加えて、ミキサーでどっしりとした泡になるまで泡立てる。泡立てながら、オートミールまたは小麦粉を加える。ソーダを入れ、ゴムベラでそっと混ぜる。
3. 型に植物油を塗り、セモリナ粉またはパン粉ミックスを振る。
4. 生地を流し込み、上にリンゴを並べ、ハチミツをかける。170度に予熱したオーブンに入れ、30分焼く。楊枝か竹串を刺して、焼けたかどうか確認する。
ふわふわのゼフィールを作るのはとても簡単とは言えない。大切なのは、卵白をしっかりと泡立てること、寒天がうまく固まること。この2つが十分でなければ、形が崩れてしまう。ただ、はっきり言えるのは、ゼフィールを作るのに砂糖は必要なく、ハチミツかステビアで代用できるということである。しかもこれすら必ずしも必要ない。ちなみに、元来、ロシアのゼフィールもパスチラも今のように甘いものではなかった。
1. リンゴは洗って、乾かし、半分に切って、芯を取り除き、オーブンで15分焼く。焼いた後、皮をむき、実だけを集め、ミキサーかフォークで潰してピューレ状にする。
2. ピューレの粗熱を取り、お好みでハチミツを加える。
3. 卵白を固くなるまで泡立て、泡立てながら、リンゴのピューレを加える。ミキサーを使うとやりやすい。
4. 泡立てている間に、寒天を水に溶かして、絶えず混ぜながら沸騰させる。沸騰後2分煮る(または寒天の説明書に従う)。
5. 熱々の寒天の溶液を卵白とリンゴを混ぜたものに薄く注ぎ入れる。この間、泡立てる手を止めないこと。
6. しぼり袋に入れて、ベーキングペーパーの上にゼフィールを絞り出す。
7. ゼフィールは最低12時間冷ます。寒天は室温または冷たいところで固まる。
甘いドライフルーツはザペカンカで砂糖の代用として使える。より甘くしたい人は、レーズンといちじく、またアプリコット、プルーンを多めに入れる。酸味のあるカッテージチーズと合わせると、バランスのとれた一品になる。
1. カッテージチーズに卵4個を割り入れ、セモリナ粉を加え、お好みでハチミツを加え、かき混ぜる。
2. ドライフルーツは前もって冷水に浸けておく。水から取り出したドライフルーツを洗って、小さくカットする。シナモンを加えて混ぜる。
3. カッテージチーズの中にドライフルーツを入れ、混ぜる。
4. 型に植物油を塗り、ザペカンカを注ぎ、表面をならす。180度のオーブンで20〜25分焼く。
このケーキはハチミツと、歴史的にハチミツを入れて作られているプリャーニク(糖蜜菓子)に対するロシア人の愛の真髄である。「メドヴィーク」では、生地にもクリームにもハチミツを加えるが、面白いことに、出来上がったケーキはそれほど甘くはない。
1. バターは角切りにして、深めの耐熱ボウルに入れる。ハチミツを加え、湯煎にかける。
2. ソーダを入れ、かき混ぜながら、温める。泡が出てきたら、火からおろし、室温で冷ます。
3. サワークリームと塩を加え、混ぜる。ふるった小麦粉を少量ずつ加え、混ぜる。
4. 生地を丸くまとめ、ラップに包み、冷蔵庫で1時間休ませる。
5. 生地を8〜10等分する。それぞれを薄く延ばし、丸く切り抜く。生地を200度のオーブンで5〜7分焼く。必要があれば、大きなお皿とナイフで大きさを揃える。
6. クリームを作る。サワークリーム、ハチミツ、柔らかいカッテージチーズをミキサーにかけ、均等になるまで混ぜる。
7. 生地にクリームを挟みながら成形する。上から残った生地を細かくしたものをふりかけて飾る。くるみやピーナツを砕いてふりかけてもよい。
8. メドヴィークは室温で1時間置き、冷蔵庫で2時間ほど置くと、しっとりする。
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