ポドコゴリはマリ・エル共和国に居住しているフィン・ウゴル語族の国民食である。古代フィン・ウゴル語で「ポド」が意味するのは「大釜」で、「カギル」は「パイ」と言う意味だ。そのため、ポドコゴリは時に「茹でたピロシキ」と言われることがある。
ポドコゴリはワレニキとダンプリングの間のようなものだが、サイズは大きめ。大きさは4.5センチから手のひらサイズまである。
生地は小麦粉にライ麦粉を加えることもある。そしてポドコゴリは出来上がるとすぐに食べなければならないとされている。ということは、冷凍は禁物で、食べる量だけ作る必要があるということであるが、今では、店に行くと冷凍された半製品を買うことができる。
伝説ではマリ・エル族の起源はポドコゴリに関連している。この神話では、ユル神の娘が地球でポドコゴリを食べたところ、天国に帰る気がなくなり、恋人であるマリととどまった。2人が結婚することで国が興りこの共和国となった。
つまり、この料理のレシピは何世紀も前に遡ることがわかる。過去において詰め物にするのは、ノウサギやタヌキなど狩の獲物にタマネギもしくは引きわりを加えたものだった。
餡にもいくつかの種類がある。餡はそれぞれに呼び名がつけられている。ここでは、「ツヴィトィッシュ・ポドコグィロ」と呼ばれるジャガイモとカッテージチーズのポドコゴリを作ってみよう。
最高の香りにするには、脂肪分が8〜10%のクワルク(カッテージチーズ)を使う。もし、無脂肪クワルクしかない場合は、餡に少しバターを加えるとよい。いずれにせよバターを加えるのはおすすめ。餡に少し多めのジャガイモを加えるのも良い。
この詰め物は長時間調理する必要はなく、詰める作業や生地を閉じる方法も独特だ。通常は、編むように固定して、餡がしっかり中に閉じ込められて茹でた時に飛び出さないようにする。しかし、これだと、端が厚くなり茹でるのに時間がかかるので、餡が肉の場合に向いている。クワルクのダンプリングの生地の閉じ方が平らなのはこれが理由だ。
ポドコゴリにはイースト菌を入れない生地を使う。それをむちのように引きのばし、20グラムずつ切り分け、それぞれを薄くのばす。
ポドコゴリは、オーブンで焼いても、塩水で茹でても、蒸しても良い。この料理はサワークリーム、バター、青ネギと食べるのが伝統である。普通のダンプリングよりも濃厚だが、クワルクのおかげで餡は柔らかい。
1. 生地の材料をナイフカッターのついたフードプロセッサーに入れ、細かくする。
2. ジャガイモは皮を剥いて、塩水で柔らかくなるまで茹でる。
3. 細かくカットした生地を手に取り、しっとりするまでこねる。ラップで包んで、半時間ほど休ませる。
4. その間にクワルクを作る。ここではカッテージチーズを使う。カッテージチーズは漉し器でこし、なめらかにする。
5. ジャガイモが出来上がったら、バターを加えてつぶす。
6. カッテージチーズを加え、混ぜる。塩コショウで味を調え、なめらかになるまで混ぜる。
7. 生地を細くのばし、20gのサイズにカットしていく。
8. 一つずつのばす。作業している間、残った生地にラップをかけておくこと。
9. 生地の半分に餡を乗せる。
10. 蓋をし、端を止める。大きめのダンプリングが12個できる。
11. 塩を加えた水で茹でる。浮かび上がってから2分後に取り出す。
12. 熱々のままバターとサワークリーム、ネギを乗せて盛り付ける。
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