コクルキ:イースターエッグを使って作るロシアのパイ(レシピ)

ロシア料理
ユリヤ・ムリノ
 ロシアの各地方にはそれぞれの「コクルキ」の作り方がある。たとえば、ヴォルガ地方の人々はイースターの後に食べ残された卵でつくる。ヴォルガ風「コクルキ」はとても心のこもったおいしい一品である。

 コクルキは脂肪分豊かなサワークリームとシンプルな生地からつくる小さなパイ。この料理は、コクルキと呼ばれるが、おそらく名前は、小さな硬貨を意味する「コクール」に由来すると思われる。

 コクルキは、ロシアでは、中には何も入れないビスケットとして知られているが、興味深いことに、卵丸ごと1個を中に詰めてつくるところもある。この作り方は、主にヴォルガ地方でよく見られる。

 ライ麦粉は、地方の村々の家庭でも手に入るようになってから、コクルキを作るのによく使われるようになった。ライ麦粉のおかげで、卵は数日間傷まない。そこで旅行に持っていかれたり、農民が畑に持って行ったりすることができた。作るのも簡単で栄養価も高い料理なので、このようなコクルキは復活祭の後だけでなく、一年中作られたのである。今日では、これはロシア料理の中で、よく知られたレシピと言うよりも、ちょっと話題作り的なものであるが、この古い作り方を好む人もいる。

 最近ではコクルキをつくるのにはライ麦粉と小麦粉を合わせたものが使われる。こうすれば、生地が柔らかくより繊細になる。脂肪分30%のクリームフレーシュがあればサワークリームには完ぺきだ。

 このパティは表面が固くサクサクになる。それをサワークリームやミルクに浸して食べると美味しい。アペタイザーとして野菜や生のキュウリや酢漬けのキュウリとともにスープと食するも良し、ピクニックに持っていくのも良い。野外で食べるとさらにおいしく感じる。

材料(6人分):

作り方:

1. ライ麦粉と小麦粉、塩を混ぜる。

2. [1]をフードプロセッサーに入れ、サワークリームを加えてこねる。水大さじ5を加える(必要に応じて)

3. 生地をまるくまとめ、ラップで包んで30分ほど置く。

4. 生地を6等分し、丸める。ここでは卵が5つしかなかったため写真には5つしか映っていない。これで十分6人分の生地になる。

5. それぞれの生地をのばす。かたゆで卵を真ん中に置いて、卵と生地の間に空気が入らないように留める。

6. 周りの余分な生地は切り落とす。

7. 端を留める。

8. オーブンを180℃に予熱する。きれいな焼き色をつけるため、表面に卵黄を塗ってもよい。後でバターを塗れば、生地がカリッとして香り豊かになる。

9. オーブンで30〜35分焼く。

10. 熱いうちに溶かしバターを塗る。

11. 温かいままでもおいしく、冷ましてスープやサワークリーム、ハーブと一緒に出してもよい。

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