モノマフの帽子は、ロシアにおける専制君主制のシンボルで、少なくともピョートル大帝が1721年にその風習を変えるまで、皇帝たちが玉座に就くときに被ったものである。モノマフの帽子のルーツについてはたくさんの説がある。ヴィザンツ皇帝コンスタンチン・モノマフから贈られたものだという伝説もあるが、のちに16世紀初頭にロシアの皇子たちの武具の一部から作られたものだということが分かった。
モノマフの帽子のルーツと同じく、この同じ名前のついたサラダのルーツもはっきりとはしていない。ただ、はっきりしているのは、ソ連時代に作られた料理であるということだけである。
オリヴィエサラダ、ミモザサラダ、カニサラダ、そして「毛皮のコートを着たニシン」サラダなど、親しみのあるお祝い用のサラダと同様、モノマフの帽子も休日に作られることが多い。
サラダには、伝統的に、茹でた牛肉、豚肉、鶏肉が使われている。缶詰のサーモンや牛タンを使った、よく似たサラダもある。肉以外に使われているのは、ジャガイモ、ニンジン、ビーツ、卵である。
このサラダのポイントはビーツとニンジンに混ぜ込まれたニンニクと刻んだクルミである。ただし、ニンニクを好まない人もおり、あるいはナッツにアレルギーがある人もいるので、振る舞う際には一言注意をしておいた方がよい。
本物の帽子―つまりクロテンの毛皮のついた黄金の円錐の帽子を再現するため、材料で似た形を作る。サラダの中央に、材料を、マヨネーズを挟みながら層にして盛り付ける。毛皮部分はチーズと卵白をおろして使う。「宝石」はザクロの種、グリーンピース、ニンジンを使う。くるみはオリジナルの帽子に使われている金に似ている。
本物の帽子との共通点は見かけだけではない。たとえば、モノマフの帽子は戴冠式の日にしか目にすることができない。そこでこのサラダも何かとても特別な機会にしか作らない。このサラダは、ソ連時代の狭い社会でしか作られなかったことは明らかだが、今でもこのサラダはとても珍しく、多くの人に知られているものではない。そんな超レアでおいしいソ連のサラダの作り方を覚えて、ぜひどこかで披露してみては?
1. 食材の準備をする。茹でたビーツとスモークチキン(胸肉)を用意する。ジャガイモ、ニンジン、卵も茹で、皮を剥く。ジャガイモはおろし器でおろし、3等分する。3分の1を2本のフォークで盛り付けるお皿の底にそっと敷き詰める。
2. マヨネーズは必要な量を広げやすいよう袋に入れておく。
3. ビーツもおろし、潰したニンニク1片と塩を加える。
4. ジャガイモの層の上に乗せ、マヨネーズを広げる。
5. チーズも3等分する。1つはビーツに加え、次に野菜に加え、そしてチーズとマヨネーズの1層めを作る。
6. チキンは小さく切り、2等分する。1層めを作り、マヨネーズを塗る。
7. パセリを置く。
8. 卵は黄身と卵白に分ける。
9. 卵黄とマヨネーズの層を作る。
10. ニンジンとニンニクの層を置き、塩を加えて、マヨネーズを広げる。
11. クルミを刻んで、層にして広げる。
12. チーズとチキンの層を置き、マヨネーズを広げる。サラダ全体をジャガイモで覆う。
13. 残りのジャガイモとチーズ、おろした卵の白身を混ぜ、サラダの周りに縁を作るように置く。スプーンでサラダの表面にマヨネーズを塗る。
14. ザクロの種、ニンジンのスライス、グリーンピース、クルミを使って、飾り付ける。
15. 冷蔵庫に入れ、数時間休ませる。
16. どうぞ召し上がれ!
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