19世紀おわりごろまで、パスタ(ロシア語で「マカロニ」)はロシアでほとんど料理に使われなかった。その理由は簡単で、高価であったからだ。材料である小麦粉の価格が高かったのである。それだけでなく、製造に手間がかかることもひとつの理由であった。というわけで、この時代において、パスタはごちそうであった。
しかしながら、20世紀になって、この状況は変わった。パスタは広く生産されるようになり、たちまち価格が下がり、すべての階層の人々が買えるようになった。ところが、第一次世界大戦と1917年の革命が起こったため、パスタの人気が高まるには時間が足りなかった。製造工場が衰退してしまったからだ。
パスタは第二次世界大戦中に半完成食品として需要が高まった。シチュー(「トゥションカ」)や魚の缶詰、エンドウ豆と食べるととてもおいしかったのである。
海軍のパスタ(マカロニ・ポ・フロツキー)はスパゲッティ・ポロネーゼに似たもの(ロシアとイタリアのそっくり料理4つをチェックしてみよう)であるが、ロシア海軍の水兵の間で人気料理のひとつとなった。戦後、彼らが帰還すると、この肉入りパスタ料理は全国に広まった。
ソビエト料理本(1952年版)には何種類かの餡入りパスタや、3種類のマカロンニクまたはラプシェヴニク(ラプシャーはロシア語で「麺」の意)のレシピが掲載されている。
牛乳と卵で焼かれたマカロンニクはロシアで最初に作られたマカロンニクのひとつ。他の2つのレシピはコッテージチーズ入りのマカロンニクと、肉入りマカロンニクだ。ここでは、肉入りマカロンニクをつくってみる。キャセロールにしてもよいし、お祝い料理として塩味パイにしてもよい。
1. タマネギはみじん切りにする。
2. ニンニクは潰し、パセリは細かく刻む。
3. ひき肉をタマネギと一緒に植物油で炒める。
4. ひき肉に、ニンニク、パセリ、塩コショウを加え、よく混ぜる。
5. トマトは湯むきし、4〜6枚にスライスしたら、ひき肉に加える。50mlの水を入れ、蓋をして、水分がなくなり、ピュレー状になるまで煮る。
6. 火を消し、卵白2個分を鍋に入れ、ひき肉と合わせる。鍋はおいておく。
7. 塩を加えた水でパスタを半茹でする。バターを加えて混ぜる。
8. チーズは目の細かいおろし器でおろす。
9. 生クリームを火にかけ、沸騰したら火を最小に下げ、溶けたチーズを大さじ1杯加えて溶かす。チーズがなくなるまで、少しずつ加えて溶かす。チーズクリームを室温まで冷ます。
10. 残った卵黄2個分をチーズクリームに加え、泡立て器でよく混ぜる。
11. 深い焼き皿に植物油を薄くひき、パスタの半量を入れる。
12. おろしたチーズのほとんどをパスタの上に入れ、手でチーズを軽く押す。
13. ひき肉をすべて入れ、スプーンで平らにする。
14. 残りのパスタをひき肉の上に広げる。表面をカリカリにしたい場合は、パン粉を散らす。
15. チーズクリームをかける。
16. チーズの残りをその上にかける。
17. 焼き皿を予熱200℃のオーブンに入れ、30分焼く。出来上がったら、オーブンのドアを少し開け、20分待つ。
18. これでマカロンニクは出来上がり。どうぞ召し上がれ!
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