ソ連時代、チェスの人気はとても高まった。ロシア人は同胞が国際的な競技会で優勝することにとても誇りを持っていた。また国中で大人は公園でチェスを指し、子どもは熱心にチェス教室に通った。1960年代はチェス人気の最盛期で、この時期にチェスケーキが生れ、広まっていった。
このチェスケーキは元来、長方形の棒状ケーキをチェス盤の模様のように大胆に切ったものである。これをケーキ屋やスーパーマーケットで買うことができたが、主婦たちはこれを家庭でも作ろうとした。そしてやがて、このケーキはお店から姿を消した。今では、このケーキを目にすることはめったにない。というのも、作り方がしっかり伝えられて、家庭で作ることができるようになったからだ。
このケーキの作り方は一見難しそうであるけれど、実はとても簡単。ベースはクランブルケーキで、伝統的な作り方では、これにアップルジャムを塗りつける。しかし、アップルジャムでなくても、酸味のあるジャムであればなんでも良い。ここでは、柔らみのある、主張しすぎないアプリコットジャムを使ってみた。このケーキは中身はしっかり詰まっているが、食感はふわふわしている。バニラやチョコレートケーキの甘さはフルーツの餡によって相殺される。
チェスケーキにはいくつかのバリエーションがある。コンデンスミルクを煮詰めたものやバニラクリームを塗ることもある。伝統的な作り方では、クランブルケーキとナッツを散らばす。時には、チョコレートフロスティングが使われる時もある。マジパンでチェスの駒を作って飾る人もいる。
ここでは、季節が秋であることからナッツや庭で採れたホオズキを飾り付けに使おう。
1. 材料はすべて室温に戻しておく。バターと砂糖をバニラシュガーと合わせ、白っぽくなり、量が増すまで5分泡立てる。
2. 卵を一個一個加え、よく混ぜる。
3. 小麦粉とベーキングパウダー、塩を加え、なめらかになるまでよく混ぜる。
4. 生地を2等分する。小麦粉25gを半分に加え、よく混ぜる。ココアパウダー25gを別の半分に加える。
5. 天板1枚で両方の生地を焼く。ベーキングペーパーで天板を半分に分け、同時に2種類の生地を焼く。生地を平らにし、180℃に予熱したオーブンで20分焼く。
6. 焼き上がった生地を冷ます。
7. 片方の生地の表面にジャムを塗り、もう1枚を乗せる。
8. 半分にカットし、片方の表面にジャムを塗り、もう半分を上に乗せる。
9. 上から軽く押さえた状態で、4時間ほど休ませ、4層をなじませる。
10. 4層の生地を同じ幅にカットする。定規を使って2センチ幅にするとよい。
11. 生地を千鳥模様になるように組み替え、上からジャムを塗る。
12. 端にもジャムを塗る。
13. 端を切り揃え、クルミやヘーゼルナッツを飾る。
14. サイド部分にもナッツを振り、大きなナッツで飾ったら冷蔵庫で4時間ほど休ませる。
15. 紅茶かコーヒーと一緒に召し上がれ!
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