ジャガイモの入ったヘラジカ肉のシチュー:あるソビエト指導者の好物料理(レシピ)

オリガ・ブロフキナ
 おそらくあなたはヘラジカなんかいないところに住んいるだろう。そして、このような高等動物にたいして申し訳ない気持ちになるかもしれない。一般的に、ヘラジカ肉はロシアにおいても珍味である。しかし、地方によってはこのような肉を普通に食べているところもある。

 ヘラジカ肉シチューについて振り返れば、ソ連指導者の一人、レオニード・ブレジネフがこの料理を大好物にしていたことで知られている。証言によれば、1960年代から1970年代にかけて、ブレジネフはザヴィドフスキー狩猟場(モスクワから130キロ)を毎週のように訪れていた。その当時、場所は一般人立ち入り禁止で、自然保護区になっていた。ブレジネフはここで狩猟を楽しみ、客人をさまざまな変わった料理でもてなした。その中の一つがジャガイモの入ったヘラジカのシチューである。 

 今日でもロシアには数々の森林があるため、ハンターの間でヘラジカ猟は人気がある。ヘラジカは体高2メートル、体重400500キロにも達する。

 もし、健康状態を良好に保ちたいと考えているのなら、脂肪分の少ない鶏の胸肉と蕎麦の実の食事をヘラジカの肉に変えてみると良い。医者もヘラジカ肉の効用を称賛している。脂肪分が少なく、炭水化物が全く含まれておらず、タンパク質含有率もトップクラスであるという。また、この肉には多くのビタミン(EPB群)成分、ポリエン脂肪酸、マイクロエレメントやマクロエレメントが含まれる。 

 ヘラジカ肉には独特の風味があり、特別な料理法は必要ない。同時に、牡肉は固いので数時間水に浸すのが良い。この水は普通の水でもよいし、酢やレモン汁を少し加えたマリネードを使っても良い。雌肉はやわらかいので、水に浸すにしても短時間でよく、浸さなくても別に良い。

 ヘラジカ肉の味をより良くするには、大鍋に投入する前に、黄金色になるまで焼く。それから、野菜、調味料を加えて長時間とろ火で煮込む。

 お祝いのご馳走としてもこの料理は作られる。基本(肉とジャガイモ)は同じだが、ニンジン、大きく切った乾燥アプリコットやリンゴが加えられる。これを作ってみるのも楽しいが、ここでは、ジャガイモ、玉ねぎ、ニンジンを使ったヘラジカ肉のシチューを作ってみよう。

材料(8人分):

  • ヘラジカ肉(フィレ) 1kg
  • ジャガイモ 1kg
  • タマネギ 34
  • ニンジン 1
  • ニンニク 45
  • スパイス お好みで
  • 塩とコショウ お好みで

作り方:

1. 薄膜や腱のないヘラジカ肉をきれいに洗い、大きめにカットしたら、塩少々をふりかける。

2. 肉をバターと植物油で炒め、表面を黄金色にカリカリさせる。高温に熱したフライパンに肉を置き、肉汁を閉じ込めるため、強火で炒める。中は完全に焼けていなくてもよい。焼きすぎたり、火を弱めると、肉汁が出てしまい、肉が硬くなってしまうので注意する。肉をフライパンから取り出す。

3. ジャガイモは大きめに切る。

4. その後、肉を炒めた油で、ジャガイモを炒める。

5. タマネギは角切りにし、ニンニクはスライスし、ニンジンは輪切りにする。

6. ジャガイモが茶色になったら、フライパンから取り出し、その他の材料を、大きな鍋に層になるように入れる。

7. まずタマネギの1/3量を置き、ジャガイモを全量置き、塩少々をふりかける。

8. その上に、タマネギの1/3、ニンニク、ニンジン、を置き、黒コショウとスパイスをふりかける。最後にヘラジカ肉を置き、上に残りのタマネギ、ニンニクを置いたら、黒コショウ、スパイスをふりかける。

9. 鍋にお湯またはお湯とビーフ・ブロス 2:で足したものを注ぎ、200℃に予熱したオーブンに入れ、1時間半ほど加熱する。ヘラジカ肉が少し古いものであったり、浸け時間が十分でない場合は、調理時間が少し長くなる。

10. ヘラジカ肉はかなりジューシーになる。そして最高のサイドディッシュであるジャガイモを添え、少し変わった一品にする。どうぞ召し上がれ!

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