クルゼはダゲスタンでもっとも一般的な料理の一つである。形もどのダンプリングにも似ていないし、その作り方も独特である。クルゼは雫の形をしていて、片方の端は丸くなっていて、もう片方は尖っている。そして生地の上部の合わせ目は、編み目のようになっている。
ダンプリングの名前は、この合わせ目から来たと言われている。「クルゼ」というのは「グルザ」というヘビの名前からきているのである。ダンプリングの上部の編み目は、ヘビの動きに似ているからである。ダゲスタンには、義理の母親が将来の花嫁の器量を、クルゼの作り方でテストするという伝統がある。器用に丁寧にクルゼの合わせ目を作ることができれば、よい主婦になれると信じられているのである。
クルゼが他のダンプリングと異なっているのは形だけではない。牛肉か羊肉の挽肉に乳清またはトマトを加えるのも特徴である。熟れた甘いトマトの季節には、クルゼに2つ目の具としてトマトを入れることにした。
タマネギをバターで炒め、新鮮なトマトとスパイスとともに煮込み、生のタマネギ、フレッシュなハーブ、ニンニクを加える。このコンビネーションはデリケートでありスパイシーでユニークな風味を加える。
フィリングがとてもジューシーであるが、クルゼはお手製の特別なソースと一緒に作られることが多い。サワークリームソースを作るためには、ニンニクと細かく刻んだハーブを混ぜる。トマトソースを作るなら、トマトを小さく刻み、スパイスを加えて、数分煮込む。しかしながら、サワークリームとフレッシュなハーブを加えただけのシンプルな熱々のクルゼもとてもおいしい。
1. 水、ひまわり油、卵をフードプロセッサーに入れ、小麦粉と塩を加え、硬めの生地を練る。所要時間は10〜15分。
2. 生地が少し柔らかくなったら、袋に入れて30〜60分待つ。
3. タマネギ1個をできるだけ細かく刻む。バターとひまわり油で、黄金色になるまで炒める。よく熟れたトマトを小さく刻み、タマネギに加える。スパイスと塩を加えて、20分ほど煮込む。ソースが固まらないように混ぜ続ける。
4. トマトソースを冷ます。
5. もう1つのタマネギ、ニンニク、ハーブも刻む。
6. 挽肉、トマトペースト、刻んだタマネギ、絞ったニンニク、刻んだハーブを深めのボウルに入れ、混ぜる。
7. しっかりと混ぜ合わせ、水を加える。水は挽肉にしみて、クルゼの中のブロスになる。手袋をした手で混ぜてもよい。
8. 生地を4等分する。1つずつ作業する間、残りの生地は乾燥しないよう袋に入れておく。
9. 生地を伸ばす。破れるのを防ぐため、あまり薄くしないこと。直径6〜8㌢の丸型で抜く。丸く抜いた生地は他の作業をしている間、乾燥しないよう覆っておく。
10. 生地の真ん中に小さじ1杯のフィリングを置く。残りの部分が丸い形になるように、一部分を持ち上げる。生地の端を折りたたむようにフィリングを覆って留めていく。片方の端は丸く、反対側は尖った状態になるようにする。4分1の生地で、直径6㌢のクルゼなら22個、8㌢のクルゼなら12個できる。
11. 形成したクルゼの表面に小麦粉を薄くまぶす。沸騰した水に入れ7分茹でる。
12. ヨーグルトとハーブを添えて出す。どうぞ召し上がれ!
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