プスコフのきのこのパイで地域の料理を探求しよう!(レシピ)

オリガ・ブロフキナ
 厳格な中世の皇帝、イワン雷帝もこの美味しいきのこのパイの味にはメロメロだった。そんなきのこのパイ「グブニク」を作ってみよう!

 典型的な古いロシアのパイといえば、香りのよいフィリングと外はカリカリで中は柔らかい生地だけを指すのではない。もっとも重要なのは、世紀を超えて受け継がれてきた伝統である。ロシアの主婦たちは、農民にも上流階級にもアピールするパイの作り方を知っていた。

 それぞれの地域で、その場所の魅力とアイデンティティを表現するようなパイを作るため想像をふくらませた。そうして生まれたのが、モスクワのクレビャカであり、プスコフのグブニクであり、その他のロシアの伝統的なパイである。

 古代ロシア時代、プスコフ地方では、きのこ―とりわけチチタケ―はグブニクと呼ばれた。そこできのこを詰めたパイも「グブニク」と呼ばれる。「グブニク」を作るのにアカハツタケを使うこともあった。アカハツタケで作られるパイは「ルィジチニク」と呼ばれた。

 パイの起源について言えば、パイが登場したのは16世紀半ば、イワン雷帝の時代である。言い伝えによれば、警護官らが税を集めにきたとき、大きなパイを焼いてもてなしたとされる。

 18世紀から19世紀にかけて、グブニクはプスコフ州独特のものとされ、プスコフのシンボルとも考えられていたが、隣接するアルハンゲリスクやトヴェリ地方などでも焼かれていた。パイのフィリングはシーズンによって異なっていたが、主婦たちは生のきのこや塩漬けのきのこ、ときに炒めたタマネギを加えたりした。

 伝統的な生地はイーストを加えて作られる。グブニクの表面は紅茶を塗るため、美しいバラ色をしていて、カリッとしている。無駄な蒸気を逃すため、焼く前に上部に穴を開けておくと良い。

 ご覧のように、材料はシンプルで簡単に手に入るものばかり。もし生のきのこや塩漬けのきのこがない場合は、マッシュルームで代用できる。主婦たちは、ゆで卵やサワークリームを加えるなど、さまざまな材料を使ってバリエーションを作っている。ただ、このような材料を使うならもうダイエット食のレシピとは言えない。

材料(5人分を2枚):

生地:

  • 小麦粉  550 g
  • ライ麦粉 200g(なければ小麦粉  750 g) 
  • イースト 12g
  • 植物油 150g(うち50gは調理用)
  • ぬるま湯 250ml
  • 塩 小さじ1  
  • 砂糖 大さじ1(お好みで)

フィリング:

  • タマネギ(大) 2個
  • マッシュルーム 500g

作り方:

 1.  水を熱し、小麦粉の半量をふるう。

2.  イーストを加えて、生地をこねる。

3.  ふきんをかぶせて、暖かい場所に1時間置いておく。

 4.  小麦粉の残りをふるい、生地に加え、油(マッシュルームを炒めるのに使う分だけ取っておく)、塩を入れる。

 5.  硬めで、手にくっつかない生地にする。ふきんで覆い、暖かい場所に4〜5時間置いておく。2時間後、3時間後にガス抜き(パンチ)する。

 6.  マッシュルームはきれいに洗い、ペーパータオルで水分を取り、刻む。きれいな焼き色がつくまで中火で炒める。

 7.  タマネギを刻み、マッシュルームに加える。

8.  時々混ぜながら、塩、コショウで味を調える。

 9.  生地を2等分する。1枚目のパイを作るのに半分をまた2等分し、周りが少し厚くなるよう丸く伸ばす。

10.  片方にフィリングを広げ、もう1枚を上から乗せたら、端を閉じる。もう1つのパイも同じようにする。

 11.  濃い紅茶を淹れ、パイの表面に塗る。

 12.  焼く前に上部に穴を開けておく。

13.  オーブンを180℃に予熱し、50分焼く。この後、お好みで表面にバターを塗り、ふきんで覆って15分休ませる。

14.  おいしいプスコフのパイを召し上がれ!

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