スイカは16世紀の中頃に皇帝アレクサンドル・ミハイロヴィチ・ロマノフの要請でモスクワの宮廷に初めて届けられた。皇帝は一度食べただけで、ロシア南部のアストラハンでスイカを栽培するように命じた。そして17世紀末になるとモスクワのクレムリンや厳しい気候で知られるサンクトペテルブルク近郊でも温室でスイカがつくられるようになっていた。
新たに登場した食べ物はすべてそうであったように、スイカもまた世間での評価は二分された。まず、教会はスイカを切断された頭部と結びつけ、生で食べることを禁じた。つまりそれゆえに、茹でたり、塩漬けされるようになったのである。
塩漬けの方法も多彩だ。スイカはまるごともしくはスライスされ、酢かクエン酸を加えられて瓶や木樽で塩漬けにされる。
スイカの塩漬けを正しくつくるのには、いくつかのコツがある。まず良いスイカを選ぶこと。十分に熟れていて、でもまだ固く、身が崩れていないものがよい。うまく塩に漬けるのに、農薬が使われたスイカは適さない。漬物用の瓶はあらかじめ殺菌しておく。
伝統的な薬味には、ニンニク、コショウ、ディル、ホースラディッシュなどが使われる。ホースラディッシュがなければ、香りの良い黒スグリの葉を使っても良い。
スイカのピクルスは他のピクルスと一緒に付け合わせやアペタイザーとして使うことができる。
1. やりやすい方法で瓶を殺菌する。ここでは鍋に入れて沸騰させる。瓶詰めに適したものかどうか確認すること。
2. タオルを使って乾かす。
3. スイカを瓶に入る大きさに薄くスライスする。
4. まず瓶の底に調味料を入れる。
5. 次にスイカのスライスを入れる。
6. 湯を沸かし、瓶の中に注いだら、蓋をして、15〜20分おいておく。お湯を鍋に戻し、もう一度、沸騰させてから再びスイカの上から瓶に注ぎ、15〜20分おいておく。
7. 水をもう一度、鍋にあけ、沸騰させ、ハチミツ、塩、酢を加える。
8. 沸騰させた漬け汁をスイカの上から注ぎ、瓶の蓋を閉める。
9. 瓶を上下逆さまにして、ふきんで包み、ゆっくり冷ます。
10. 瓶は1ヶ月以上室温においておいてから食べてもよいし(爆発することはない)、数日後に食べてもよい。
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