うだるような暑さのときに、家族みんなでダンプリングを作ろうという人はそういないだろう。しかしクバンのストルムブィなら、簡単に作れる。ストルムブィはロシア南部のクバンで作られるダンプリングである。
クバン料理は伝統料理が融合したもので、ストルブィは中に肉の入った、ウクライナのガルシキとドイツのシュトゥルーデルを足したような料理である。
ストルムブィは小麦粉、肉で作られているが、特徴的な形をしていて、その小さなミートボールをトマトソースで煮込む。「お手軽」と呼ばれているのは、生地をのばすのは1度だけで、その中に肉を入れて包み、輪切りにしていくだけだからである。一つずつ形成していく一般的なダンプリングに比べるとかなり簡単で、作る時間もそれほどかからない(1時間以内)。でもそのお味にはきっと満足できるはずである。
このダンプリングのもう一つの特徴は、茹でるのではなく、焼いてからトマトとクリームのソースで煮込むという点。このダンプリングの夏バージョンにはクバンで豊富に採れるフレッシュで香りのよいトマトが使われる。ここでは地元の食料品店で手に入る甘いトマトを使った。
肉は何を使ってもよいが、何種類かの肉を混ぜるとよい。ここでは牛肉と豚肉、脂肪分の多い肩バラ肉を使う。家庭によってそれぞれの伝統があり、たとえば、肉挽き器を使わずに特別な包丁で肉を細かく切るというところや、炭火の窯で焼くというところもある。ここでは家庭でもっとも一般的なレシピ(焼いてから煮込む)を紹介する。また生クリームと南方のハーブを添えてみた。とってもおいしく出来上がるので、ぜひ試してみては?
1. 小麦粉、塩、卵、水スプーン2杯をボウルに入れ、手またはミキサーでこねる。必要に応じて、水をスプーン1杯さらに加える。なめらかさを出すため、さらにミキサーで15分こねる。
2. 生地をこねている間にソースを作る。タマネギとニンジンは小さく切り、油で炒める。
3. トマトペーストを加える。
4. 小さくしたトマトを加える。一番早いのは、鍋の上でトマトをおろし器でおろす方法。皮はおろし器の上に残る。
5. ソースを少し煮たら、クリームと水を加える。ダンプリングができるまで、少し煮詰める。
6. 生地がなめらかになったら、ラップをして15分休ませる(その間にフィリングを作る)。
7. すべての材料を肉挽き器に入れる。脂身とタマネギはかつてのやり方と同じようにナイフで細かく刻む。
8. 生地を厚さ1.5 mmの長方形にのばす。
9. フィリングを均等になるように広げる。
10. しっかりと巻いていき、端が上になるようにして留める。
11. 2.5 - 3 cm 幅にカットする。
12. ソースの中で煮ている間に形が崩れないよう、小麦粉をまぶす。
13. 必要に応じて、ソースに水を加える。
14. 輪切りにしたストルムブィを両面がきつね色になるまで焼く。
15. ソースを上からかけ、ニンニク、ローリエを加え、塩、胡椒で味を調え、蓋をして弱火で30分煮る。焦げつかないよう気をつけること。
16. 熱いうちにソースかサワークリームをかけ、香りの良いハーブを添えていただく。
ロシア・ビヨンドのニュースレター
の配信を申し込む
今週のベストストーリーを直接受信します。