「ヴァレーニエ」(ジャム)というのは、古いロシア語で「煮て作られたごちそう」を意味した。主婦たちは、ほぼロシア全土でこの「ヴァレーニエ」を作った。そこで人々は、実にさまざまな材料を使って「ヴァレーニエ」を作っている。一般的な材料といえば、やはりベリーやフルーツだが、たとえば、ニンジンとキンセンカの蕾や、若い松ぼっくりなど、かなり予期せぬ組み合わせのジャムもある。では、キュウリのジャムなんて想像してみたことはあるだろうか?
この甘いごちそうにまつわる伝統はかなり昔に遡るものである。同時代人の回想によれば、イワン雷帝はハチミツを入れたキュウリのジャムが大好きだったという。そのデザートはウラジーミル州のスズダリ(モスクワの東方180キロ)で作られていた。
スズダリでは庭仕事や農業が昔から非常に一般的であった。ソ連時代、スズダリの住民たちは、ロシア中に地元のキュウリを販売していた。
もう一つ興味深いのは、スズダリで人気の夏の休日で、今では町を代表する祝日に、「キュウリの日」というものがある。通常、毎年、7月の第3土曜日に祝われることになっている。
キュウリを使った料理はたくさんあるが、キュウリのジャムというのは、実際、ちょっと変わったものである。キュウリのジャムなんて作る価値はあるのかと訊かれれば、その答えは、「本当においしいので絶対に作ってみてほしい」というものである。キュウリはとても繊細でさっぱりした味だからである。ここでは、それをさらにおいしくするため、柑橘類を加えたものを紹介する。
1. キュウリは洗って、角切りにする。キュウリが大きい場合は皮をむく。角切りにしたキュウリを鍋に入れる。
2. オレンジの皮をむき、実を取り出し、角切りにしたら、鍋に加える。
3. レモンをしぼる。
4. グラニュー糖を加える。
5. よく混ぜ、1時間半ほど置いて、キュウリの水分を十分に出す。
6. 中火にかけ、沸騰したら、火をかなり弱め、30〜40分煮る。ときどき、かき混ぜるのを忘れずに。
7. 十分に煮えたら、バニラシュガーを加え、よく混ぜる。ちょうどよい硬さになり、水分が多すぎない状態になれば、火から下ろす。
8. 出来上がったジャムはジャムポットに入れ、蓋をする。粗熱がとれたら、室温の低い場所で保存して、出来上がり!どうぞ召し上がれ!!
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