コリア風人参サラダ:ソ連時代のアジア風味おつまみ(レシピ)

Yulia Mulino
 これは、朝鮮半島からの移民が持ち込んだニンジン料理であるが、それはたちまちソ連で人気のおつまみになった。

 子どもの頃、市場を歩いていて、ピクルスや漬物のコーナーに近づくと漂ってきたこのニンニクの匂いを感じさせるスパイシーで甘い香りをよく覚えている。赤いピクルス・ニンニクと長いラムソンにまぎれて売られていた、細くカットされたニンジンにわたしはいつも魅かれた。それはコリア風の人参サラダであった。

 このサラダを初めて作ったのは、帝政ロシア時代に朝鮮半島からやってきた移民である。しかし、スターリン時代、ほとんどすべての朝鮮人は極東から中央アジアに移住させられた。

 伝統的な朝鮮料理では、赤カブ、魚、肉などをピクルスにするのが慣習である。朝鮮の移民たちはソ連でもっとも一般的な野菜である人参を選び、お気に入りのスパイスを入れて漬けた。そうしてコリアン風の人参サラダが誕生した。この料理は国内を移動するソ連の朝鮮人一家とともに広まり、また朝鮮人の主婦たちが市場で売るようになるにつれ、ソ連中で人気を博するようになった。

 時とともに、サラダはソ連の市民の舌に合うよう作られるようになっていった。つまり、辛さ控えめになったのである。そして今、このコリア風人参はお祝いのテーブルにも、そして普段の食卓にも欠かせないものになった。

 ロシアの主婦の多くが、このサラダを家で作ろうとした。そして数百年の間に、多くのバージョンが作られ、たくさんのちょっとした「コツ」が生まれた。

 人参を細長く切るためには特別なおろし器などの道具が必要である。しかし道具がなくても、包丁で切ることができる。作業は少し大変だが、苦労して作る価値はある!

 普通はこの人参を砂糖、酢、コショウやコリアンダーなどの香辛料で漬け、ニンニクを絞る。また醤油やゴマ、ごま油を加えるというレシピもある。一般的に、人参には熱い油をふりかける。味をもっとしっかりさせたい場合はタマネギを入れるとよい。

 コリア風人参サラダはおつまみにもなり、サイドディッシュにもなる。またラップサンドやサンドイッチ、サラダに入れてもおいしい。ぜひ作ってみては?

材料(10人分)

  • ニンジン(大) 1本
  • 砂糖 小さじ1
  • 塩 小さじ1
  • 酢 大さじ2
  • コショウ お好みで
  • コリアンダー 小さじ1/2
  • 赤パプリカ 小さじ1/2 
  • ターメリック 小さじ 1/2 
  • マジョラム 小さじ 1/2 
  • クミン 小さじ 1/2
  • ニンニク 5片
  • タマネギ 1個
  • ひまわり油 80-90 ml

 

作り方:

1. ニンジンの皮を剥く。

2. 使いやすい道具で、ニンジンを細切りにする。普通の平らなおろし器は適さない。道具がない場合は、手作業で細切りする。

3. ニンジンに塩をふり、柔らかくしっとりするまでこねる。

4. 油を熱し、大きめにカットしたタマネギと香り付けのコリアンダーを加える。その後、タマネギとスパイスは取り出しておく。

5. ボウルの真ん中にニンジンを入れ、砂糖をふりかけ、ニンニクをしぼる。香辛料を加える。

6. 熱した油をニンニクの真ん中にかけ、手で全体をしっかり混ぜる。酢を加え、再び混ぜる。酢は家にある一般的なものでよいが、ここでは米酢を使う。よりヘルシーにしたい場合は、リンゴ酢を使うとよい。

7. 容器に入れ、きちんと浸かるよう、しっかり蓋をする。蓋つきの瓶に入れてもよい。3時間以上、できれば一晩漬ける。出来上がったニンジンは冷蔵庫で2週間保存できる。

8. お好みでゴマを振って、盛り付ける。どうぞ召し上がれ!

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