ロボットに関するソ連映画8選:ネットで無料視聴できる

Konstantin Bromberg/1979
ロボットは人間の友か敵か?ソ連時代のロボット映画は、このことについて語っている。

『機械人間:感覚の喪失』(アレクサンドル・アンドリエフスキー監督、1935年)

 理想家のエンジニア、ジム・リプリは、労働者の仕事を軽減することを夢見て、「ほぼ何でもできる機械」を作る。それは、休むことも眠ることもなく働ける。もちろん、資本家たちは、彼の発明を喜び、人間を機械に置き換えたいと思う。その後、機械を殺人部隊に仕立て上げ、抗議活動を行っている労働者に向けて送り込む。

 この白黒映画には、ソ連映画史上初めてロボットが登場する。興味深いことに、「RUR」の文字がロボットの胸に見える。発明者は、「リプリの万能労働者」の略語のつもりだが、これは知っている人には他作品の引用と分かる。つまり、チェコの作家カレル・チャペックの戯曲の題名『R.U.R.』(ロッサム万能ロボット会社)であり、その中で「ロボット」という言葉が初めて用いられた。

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『虹の公式』(ゲオルギー・ユングヴァリド=ヒリケヴィチ監督、1966年)

 科学者バンチコフは、ソ連のシェルドン・クーパーといったところか。彼は、馬鹿げた事務的な会議に大事な研究が邪魔されるのが我慢ならない。そこで会議等から解放されるために、彼は自分の分身となるロボット「ヤーシャ」を製作した。ところが皮肉なことに、ロボットはあまりにも有能だと分かり、おまけに、そいつは人類に「敗北主義者」のレッテルを貼る。なにしろ、人間は「病気になり、恋愛し、1日480分も眠る」のだから。

 この人工知能をめぐるコメディには、ロボットに関する最もよく知られたステレオタイプがことごとく出てくる。そして、結局のところ、ヤーシャは人間に負ける。いくら頭が良くても、生きた人間を機械に置き換えることはできないからだ。

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『彼の名はロベルト』(イリヤ・オリシヴァンゲル監督、1967年)

 開発者からロベルトという名前をもらったロボット「RB-235」は大きな世界へ飛び出す。この機械は、深宇宙を探索するために設計されたのだが、日常生活の中で突然、ターニャという娘に恋をする。彼女のために、彼は文字通り何でもする用意がある。開発者である科学者セルゲイ・セルゲーエヴィチは、自分の正確なコピーを作ったのだが、そのコピーは「より人間的」にさえなっていく。唯一の違いは、ロボットが、人間的な感情に欠けたオリジナルの学者よりもはるかに感情豊かで思いやりがあることだ。

 この映画は、かの有名なフランスのパントマイム・アーティスト、マルセル・マルソーが出演している点でも注目される。彼は、人間のあらゆる感​​情を言葉なしで伝えることができた。

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『宇宙飛行士ピルクスの審問』(マレク・ペストラク監督、1978年)

 土星の環への宇宙船の飛行中のこと。飛行士ピルクスは、クルーのうち誰がアンドロイドなのか突き止めなければならない。

 ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの小説を、雰囲気たっぷりに、かつまた不気味に映画化した。人工知能は人間を超えられるのか、なぜロボットは人間と見分けがつかなくなるのか描き出す。

 また、この映画の絶妙なポイントは、アルヴォ・ペルトのまさに宇宙的な音楽だ。それがプロットをいやがうえにもドラマティックにする。

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『エレクトロニクの冒険』(コンスタンチン・ブロムベルグ監督、1979年)

 アンドロイドのエレクトロニクは、少年のような外見で、優れた知力と身体能力を備えている。ある日、彼は発明家のもとから逃げ出し、少年セリョージャ・シロエジキンと出会う。まさに彼の外見が、アンドロイド製作に使われたのだった。少年の代わりに、アンドロイドは学校に通い、優秀な成績をおさめ、合唱団で歌い、みんなと親しくなる。そして彼は、ロボット犬「レッシー」も創り出した。

 この子供向け映画は、当時大ヒットし、エアデール・テリア(レッシーの犬種)の人気は急上昇した。『エレクトロニクの冒険』は、ロボットが人間になれるか否かの問題の答えを出すために、一見の価値がある。

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『オリオンの環』(ワシリー・レーヴィン監督、1980年)

 強力な放射線が、宇宙探検家たちの命を奪っている。その正体を突き止めるべく、人間とアンドロイドからなるクルーが地球から派遣される。アンドロイドたちは、乗員の外見をコピーして作られた。調査の結果、太陽系の惑星の1つの住民が恐ろしいウイルスから地球を守ろうとしていることが判明した。そのためには、地球の周りに特別なバリア「オリオンの環」を作り出す必要があったのだ。しかしロボットのうちの1体は、宇宙人の言うことを信じず、地球人の船を破壊しようとする。

 この映画は、『スタートレック』と『スターゲイト』の中間のような感じだが、ややナイーヴに見える。とはいえ、この映画に特別な魅力を与えているのは、地球を救おうとする精神的兄弟が宇宙のどこかにいるという登場人物たちの信念だろう。

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『未来からの来訪者』(パーヴェル・アルセノフ監督、1984年)

 学校の男子生徒コーリャ・ゲラシモフは思わず知らず未来にきてしまう。彼は、「時間研究所」の廊下で、ロボット「ウェルテル」と出会う。ウェルテルは、そこの管理者で、研究者のポリーナに恋している。

 銀色のスーツを着たウェルテルは、自分はもう退職する時期だとか、詩を書いているとか呟き、コーリャにロボット・ギタリストのコンクールについて話す。そして、命がけで「宇宙海賊」からコーリャを救い出してくれる。

 青少年向けのこの映画も大ヒットし、ソ連の学童のほとんどが、ヒロインのアリサ・セレズニョワに夢中になった。

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『錆びた将軍の島』(ワレンチン・ホヴェンコ監督、1988年)

 発掘現場で発見された古代の戦闘ロボットは、まだ完全に錆びておらず、その輸送中に逃げ出した――全世界を征服するためだ。普通の女性徒アリサ・セレズニョワは、おとぎ話の映画で赤ずきんの役をもらい、島で撮影中だったが、偶然、この好戦的なロボットの間近に居合わせた。彼女は再び世界を破滅から救わなければならない。

 この映画では、さまざまなロボットが見られて楽しい。アンドロイドの保母、赤毛のコーリャ(彼はセモリナ粥を作り、犬のボビクを設計する)、ロボット女優のヤガー婆さんと灰色狼、そして20世紀の「原始的な機械」も出てくる。ロボットが人間に奉仕する明るい未来と、ロボットが恐れられ敵とみなされていた、その少し前の時代とが対比される。

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