遠距離をものともせず、復活祭の絵葉書は、国中から、さらには外国からそれぞれの宛先に届いた。
この祝日の絵葉書の典型的な絵柄は、ネコヤナギの枝とイースターエッグを持つ女子だ。お祝いを送る人は、絵葉書の裏に、「…明るく楽しい時をお過ごしくださいますように」と書く。
復活祭の絵葉書の中には、小さな絵画のように見えるものもある。たとえば、この葉書では、鳥が嘴にオリーブの枝をくわえ、天使が手に絵付けされた卵を持っている。そして、文章は花で縁取りされている。「ひとつお茶をいただけませんか?」 。差出人は相手に尋ねる。「最高の祝日ですから、グラスを持参しても罪ではありますまい!」
復活祭用の絵葉書だけでなく、他のさまざまな葉書、カードでも祝辞が送られた。そして、祝福の言葉以外に、小さな葉書上に当面の切実な問題を記すこともあった。「私はもう銃を壊してしまったので、修理に出しました。修理はされたものの、もう一つ信頼できません。今日もう一度修理に行きます」
「キリストは甦りたまえり!シューラよ(アレクサンドラまたはアレクサンドルの愛称)、私はお前と復活祭の挨拶を交わし、この祝日にあたり、お前に地上のすべての幸福があらんことを祈ります」
戦時中でさえも人々は、喜ばしい祭日を忘れなかった。1916年、第272グドフスキー歩兵連隊の駐屯地からモスクワのペトロフスキー公園に葉書が送られた。その中で父親は娘ナターシャに次のように書いている。
「明るいお花の絵葉書を送ります。 お母さんは、あなたが聖枝祭の市でおもちゃを買ったと書きました。復活祭を今どのように過ごしていますか? 私はお前にたくさんキスします。そして、お前は私のかわりにお母さんにキスしてください」
絵葉書蒐集家エヴゲニー・ノヴィコフのコレクションの絵葉書は、展示会「なぜ絵葉書を送ったのか?」で6月2日まで見ることができる。場所はアントン・チェーホフ書簡博物館。
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