2023年10月25日、モスクワ現代美術館では、ロシア人画家の作品における果物と植物の意味にスポットを当てた展覧会がスタートした。
展示されている作品はいずれも20世紀、21世紀に描かれたもので、展示会は、人間と自然との関係を探り、異なる文化や時代における果物のシンボリックな意味について探求するものとなっている。
巨大な 唐辛子のインスタレーションはエカテリーナ・ヤコヴレワの2021年の作品。
作品のタイトルはその名も「ホット・ペッパー」。シャモットで作られた作品である。彫刻家のヤコヴレワは、「地球の果物」と題したシリーズ作品を製作したことで知られているが、彼女の作品はダーウィン博物館(モスクワ)に展示されているほか、ロシア、アメリカ、イスラエル、東欧などの個人コレクションに収められている。
ワジム・グリンベルクの作品「黄金の贈り物」は、1980年代の作品である。オデッサ出身のグリンベルクは、ジェフ・クーンズ、デヴィッド・ホックニー、ダミアン・ハーストなどの有名な芸術家から称賛を浴びている。また彼らはいずれもグリンベルクの作品を所持している。
一方、アンドレイ・グロシツキーの「フライト」は、見る人を少し戸惑わせるかもしれない。しかし、彼の作品は現実と幻想の狭間にあるものを表現したものが多い。グロシツキーはロシアのポップアートの創始者とも呼ばれており、現在、彼の作品はロシアの国立トレチャコフ美術館、ロシア美術館、国立芸術博物館など多くの主要な美術館に展示されている。
ウラジーミル・サルニコフのシリーズ作品「ニーナKのための星とりんご」は、かつての妻で同じく画家のニーナ・コテリのために描かれたものである。35年間にわたって夫婦生活を送った2人は、創作上のパートナーでもあった。
サルニコフは抽象画家として、キャリアをスタートさせた。若い頃には、雑誌「アメリカ」を読み、抽象画を描くようになったのだが、彼の両親は息子の精神状態について、彼が狂ってしまったのではないかと真剣に悩んだという。
セルゲイ・ザルヴァはその作品の中で、下に紹介するポスターのように、ソ連時代のイメージを独自に解釈している。もう一つ、彼の作品に共通して見られる特徴は、自身の性格を裏返しにして見せることを好む点である。近くで見るとそれは明白に見てとることができる。
展覧会ではこの他にも多数のアーティスト―パヴェル・レオノフ、ズラプ・ツェレテリ、ロバート・ファルク、オレグ・ツェルコフなどの作品も展示されている。
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