ロシアの主要な宇宙映画13作品

Klim Shipenko/Russia-1, 2017; Rudolf Alfimov/Sputnik
 この中のいくつかはハリウッドの映画監督にインスピレーションを与え、またある作品は本当の宇宙空間で撮影された。

挑戦(2023)

 史上初めて、宇宙で撮影された長編映画。船外遊泳で負傷した宇宙飛行士を助けるために国際宇宙ステーションに派遣され、無重力状態で緊急手術をすることになる医師の物語。この映画の撮影のために、女優のユリヤ・ペレシルドとクリム・シペンコ監督が2週間にわたって、国際宇宙ステーションに滞在し、宇宙から78時間の映像を持ち帰った。

スプートニク(2020)

 現代のロシアの宇宙開発のテーマとホラーが一つになった映画。宇宙船「オルビータ4」はソ連中が歓喜する中、成功裏に地球に帰還する。しかしこれはソ連のメディアの発表であり、実はこの宇宙船に謎の事故が起きたことは明らかにされなかった。そして、ただ1人生還した男は何も説明することができない。この施設に送られた神経生理学の医師は真実を暴こうとするのだが、実はその宇宙飛行士は宇宙から1人で降り立ったのではなく、体内に生息する「何か」と一緒に戻ってきたことが明らかになる・・・。

サリュート7(2017)

 この映画は実際の出来事に基づいて制作されたもので、1985年に制御不能となった宇宙ステーション、「サリュート7号」を題材にしたものである。交信が途絶えた理由を探るため、経験豊かな宇宙飛行士たちが軌道上に送られる。そしてこの宇宙飛行士たちは、歴史上初めて、宇宙で制御不能なステーションをドッキングさせなければならなくなる。この作業は今でも宇宙の歴史においてもっとも難しいものとされている。

スペースウォーカー(2017)

 実際の出来事を題材にしたもう一つの映画だが、こちらは世界の宇宙飛行学にとって重要なものを取り上げた作品。パヴェル・べリャエフとアレクセイ・レオーノフは最初の船外活動を行うことを目的に軌道上に打ち上げられた飛行士である。それはソ連とアメリカの宇宙開発競争に勝つためであった。

ガガーリン 世界を変えた108分(2013)

 世界初の有人飛行を行ったユーリー・ガガーリンについての伝記映画。ガガーリンの伝記映画が制作されるのは実はこれが初めて。幼年時代、初恋、そして一番になる権利を手にするための闘いから人生におけるもっとも重要な瞬間までが描かれている。

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986)

 遠い惑星のストーリーを通して階級闘争を皮肉ったカルト映画。

 工事現場監督のウラジーミル・マシコフは食料品店に出かけたところで、自分は異星人だというホームレスの男と出会う。それを証明するために、男はマシコフにいわゆる「テレポート装置」を見せる。ウラジーミルはうっかりその装置に手を触れ、「砂漠」に飛ばされてしまう。そしてそこはまったく別の惑星だった・・・。

第三惑星の秘密(1981)

 宇宙動物園に入れる新たな珍獣を探そうという宇宙探検をテーマにした作品。しかしながら、その宇宙への旅はある偶然から、救出作戦と宇宙の海賊を捕まえる危険な戦いと化す。この長編SFアニメはソ連全土でたちまち伝説となり、日本のアニメへの「応答」とされている

Per Aspera Ad Astra (1980)

 遠方偵察隊が宇宙で破壊された見知らぬ異星の船を発見する。彼らは命を落とした宇宙船の乗組員たちが全員、クローン作成によって作られたものであることを知る。しかし、偵察隊のメンバーらは、死んだクローンの中にまだ生きている少女を見つけ、彼女が何者で、どこから来たのかを突き止めるため連れ帰るのだが・・・。

 作品は遺伝情報をもつ生物の人工増殖というきわめて重要な道徳的問題を取り上げたもの。

The Orion Loop (1980) 

 1970年代以降、ソ連でも欧米でも(スピルバーグ監督の「未知との遭遇」など)、人々は、地球外文明と人類との安全な接触に関する問題というものに関心を持った。ソ連映画「The Orion Loop」はまさにそうした問題をテーマにした作品。

 太陽圏の境界で、強力な光線が感知され、それは次第に宇宙飛行士たちを狂わせていく。人類は指定された場所に宇宙船「フェートン」を派遣し、原因を探ろうとする・・・。すると光線は異星人からの単なるシグナルであることが分かる。彼らは人類に恐ろしい危険を警告しようとしていた。

ソラリス(1972) 

 カルト的映画監督アンドレイ・タルコフスキーが1972年に、スタニスワフ・レムの同名の小説を下敷きに制作した作品。地球外知性体との接触というプリズムを通して、人類の多くの道徳的問題を取り上げた作品である。多くの調査で、この「ソラリス」は世界の映画史上、もっとも優れたSF映画の一つと評価されている。

火を噴く惑星(1961)

 困難に満ちた金星探査をテーマにした作品。探査では金星で知的生命体が発見される。パヴェル・クルシャンツェフ監督のこの作品では、外国の映画作品に先駆けた画期的な光学合成の技術が駆使され、世界のSF映画全体に多大な影響を与えた。たとえば、この作品に登場する空飛ぶ車は、「スターウォーズ」でも使われ、またリドリー・スコット監督は「プロメテウス」に、宇宙飛行士のデザインを取り入れている。

Road to the Stars (1957)

 この映画は劇映画とポピュラーサイエンス映画を合体させたもの。コンスタンチン・ツィオルコフスキーの生涯とキャリアが紹介され、そしてまだ実現される何年も前に人類初の宇宙飛行、月面着陸について描いている。技術面ではまだまだ現実からはかけ離れていていたものの、作品は当時最新の特殊効果で人々を驚嘆させた。

アエリータ (1924)

 宇宙飛行をテーマにした最初の長編映画と思われる。というのも、この作品は100年前に制作されたものである。アレクセイ・トルストイの小説に基づくこのサイレント映画は広く認められた古典作品となり、世界の映画史における重要な出来事と考えられている。映画は、火星に飛ぼうと秘密裏に宇宙船を作る無線技師地球人の生活についてより詳しく知りたいと願う火星の女王アエリータを描いたもの。

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