Eldar Ryazanov/Mosfilm, 1975
36歳のモスクワで医師をしているジェーニャ・ルカシンは大晦日に友人らとサウナに行くのが恒例となっている。彼らはそこで「少し」飲んだため、友人たちは酔っぱらったジェーニャを誤ってレニングラード行きの飛行機に乗せてしまう。記憶がない状態で空港に到着したジェーニャは、何事もなかったかのようにタクシーに乗り家に向かう。ソビエトの住宅地はどの町でも非常に似ていて、レニングラードにもモスクワとまったく同じ通りと家があり、ジェーニャのアパートの鍵さえもレニングラードのアパートの鍵穴に合ってしまう。彼は「自分の」家に着いて眠りに落ちるが、ソ連では家具でさえどの家も同じであるため、問題に気づかない。しかしすぐにアパートの本当の住人が帰って来て、彼女は自分のベッドに見知らぬ男がいるのを見つける... エリダール・リャザーノフのこのコメディは、全くの誇張なしに新年の定番映画となっており、毎年 12 月 31 日に放送されるのが恒例になっている。主演のアンドレイ・ミャグコフとポーランドの女優バルバラ・ブリリスカは国民的アイドルとなった。映画の挿入歌のいくつかは、有名歌手アラ・プガチョワによって演奏され、歌われている。 映画の視聴はこちら
6. 朝焼けは静かなれど (1972年)
Stanislav Rostotsky/Gorky film studio, 1972
経験豊富な曹長フェドートに、高校を卒業したばかりの5人の若い女性の対空砲手の志願兵が派遣される。それぞれ全く異なる運命をもっている彼女たちを第二次世界大戦が結び付けた。指揮官の指揮のもと、彼らは命をかけて森や沼地でナチスを追い詰める。しかし、映画の最後まで全員が生き残ることはできない... スタニスラフ・ロストツキー監督のこの映画は古典的戦争ドラマであり、ボリス・ワシリエフの同名小説を原作としている。雑誌「ソビエト・スクリーン」は「夜明けは静かだ」を1972年の最優秀映画とした。この作品はソ連で数々の国家賞を受賞し、ヴェネツィア国際映画祭でも記念となる賞を受賞し、「最高の外国語映画」としてアカデミー賞にノミネートされた。(ルイス・ブニュエル監督の「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」に賞は譲ることになった) 映画の視聴はこちら
7. オフィス・ラブ (1977年)
Eldar Ryazanov/Mosfilm, 1977
モスクワ統計局には非常に厳格な局長がいる。彼女はまだ36歳だが、部下全員から陰で「婆あ」と呼ばれている。彼女の従業員の中に、昇進を望んでいるがそのことを上司に話すのが恥ずかしい、2人の子供を持つ慎ましいシングルファザー、アナトリー・ノヴォセルツェフがいる。突然、海外から帰国した旧友が「婆あ」の代理に任命される。友人はノボセルツェフに、恥ずかしがらずに局長を「口説く」ようにアドバイスした。しかし、ぎこちない「口説き」は意外なことにうまくいく…。 一見すると、これはソ連のオフィスの普通の従業員を題材にした単純なコメディであるように思える。しかし、エリダール・リャザーノフの映画は興行収入のトップに入り、観客に信じられないほど愛された。素晴らしいキャスト陣もそれに貢献している。これは、すでに「運命の皮肉」で知られているアンドレイ・ミャグコフのもう一つの素晴らしい役で、彼は同じような控えめな役を演じた。局長を演じたのはアリサ・フレインドリッヒ。おしゃれな秘書(リヤ・アヘジャコワ)や会計課の噂好きのシュロチカ(リュドミラ・イワノワ)など名脇役も観客に特に愛されている。 映画の視聴はこちら