レフ・トルストイはイギリスの『三匹の熊』をロシア民話にした

Y. A. ヴァスネツォフ。 トルストイ作『三匹の熊』の挿絵。1935年

Y. A. ヴァスネツォフ。 トルストイ作『三匹の熊』の挿絵。1935年

 ロシアの文豪レフ・トルストイは、『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』などの長編小説の作者であるだけでなく、子供向けの物語や『初等読本』も書いた。

 1875年、彼は古いイギリスのおとぎ話『三匹のくまの物語』をロシア語に翻案した。トルストイ版『三匹の熊』は非常に人気があり、ロシア民話とみなされるようになった。

 そのため、英国の古典的な物語は、すべてのロシアの子供に馴染みのあるものになった。森で迷子になった少女が、三匹の熊が留守にしている家を見つけ、入り込む。彼女は、3 つの皿のそれぞれから食べ物を食べ、それぞれの椅子に座り、最後に 3 つのベッドのそれぞれに横になり、一番小さいベッドで眠りに落ちる。

 熊たちは、家に帰ってきて気がつく――誰かが食べ物を食べ、椅子に座り、ベッドに寝たことを。そして、眠っている女の子を見つけた!彼女は目を覚まし、怯えて窓から飛び出す。熊は彼女を捕まえることができない…。

 元の英語の物語には三つのバージョンがある。最初のバージョンでは、熊は三匹の「独り者」だったが、その後、“三人”家族になった。そして、主人公は少女ではなく、小柄な老婆だった。それが後にゴルディロックスという少女に変わる。

 トルストイはと言うと、熊の家族のそれぞれに名前を付けた。父はミハイル・イワーヌイチ、母はナスターシャ・ペトローヴナ、息子はミシュートカ(実は、これはロシア語で「子熊」を意味する名だ)。彼らはみな、それぞれの口調で話し、独自の性格をもっている。

 トルストイの物語に登場する少女には、名前はない。しかし、彼女は後に、マーシャの通称で知られるようになる。

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