メタルでできた双子のロボットは、ロシアのゲーム会社Mundfishが開発し、2023年にリリースされたビデオゲーム「アトミック・ハート」のビジュアル・シンボルとなった。ゲームは1950年代のソ連を舞台にしたもので、故障したロボットの再生が行われている。
ロボットバレリーナの動きの基となっているのは、ボリショイ劇場の舞台に8年間も立ち続けている本物のバレリーナ、アニータ・プジコワのダンスである。
アニータの母親、インナ・ギンケヴィチもかつてボリショイ劇場のバレリーナで、またスタニスラフスキー・ネミロヴィチ・ダンチェンコ音楽劇場のソリストでもあった。アニータはソーシャルネットワーク上で、バレエはどちらかというと両親の選択だと明かしている。「幼年時代の半分を舞台裏で過ごしました。アーティストたちが練習している間、わたしはバーの下に座り、母が舞台で使う装飾を触ったりして、舞台裏で遊んでいました。それ以外の世界を知らなかった子どもにとっては、それが新鮮な喜びだったのです」。
アニータが初めてボリショイ劇場の舞台に立ったのは2015年。モスクワ国立舞踊アカデミーを卒業したときである。アニータのレパートリーには、「くるみ割り人形」、「ロミオとジュリエット」、「ドン・キホーテ」など伝説的な演し物が含まれていた。しかし、アニータ自身が好きなバレエは、貴婦人役で出演している「イワン・グローズヌィ」なのだという。またアニータは2020年にロシア国立舞台芸術アカデミーのバレエ振り付け学部を優秀な成績で卒業している。現在、ボリショイ劇場の他に、アニータはモスクワのスポーツ局で振付家としても勤務している。
アニータは社会・慈善プロジェクトに参加している。2020年にバレエダンサーたちは環境問題に注意を促す写真撮影を行った。すでに数年前から、アニータはボリショイ劇場の仲間たちと共に、ブロヒン記念腫瘍センターを定期的に訪れ、子どもたちのためにダンスを披露している。
彼女は、有名なブランドのものを含めたプロのカメラマンによる写真撮影の様子をソーシャルネットワークに投稿している。美しいコンテンツには、ボリショイ劇場の面白おかしい動画が混ざっている。たとえば、出演している舞台の袖で、出番を待つ間に友人のバレリーナ、ヴェーラ・ボリセンコワを大きなカートに乗せて押したり、衣装室で仲間たちとふざけている姿を投稿したり、リハーサルでの失敗シーンなども恥ずかしがることなくアップしている。
また2021年、アニータは音楽バンド「アンダーウッド」の「バットマン・タンデュ」のクリップの撮影にも参加した。
現在アニータは、ボリショイ劇場のアーティストであるカミル・ヤングザロフと交際している。2022年3月28日、指輪をつけた写真を公開し、「イエス!」というコメントを添えている。
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