サンクトペテルブルクのチェスと磁器博物館ではちょっと変わったものが展示されている。それは、世界中から集められた磁器製のチェス・キット。伝統的な白黒のものに加えて、いろいろなテーマに沿って作られたものがある。このチェス・セット19世紀中旬のセヴァストポリ防衛を記念して製作された。
このチェス・セットも同じ博物館のもので、ロシアのおとぎ話のキャラクターをテーマにしている。白い駒はボガティーリ、ツァーリ(皇帝)、鍛冶屋、ツァレヴナ(皇帝の娘)で、黒いものは、スラヴ人が信じていた人魚、レーシー(森の精霊)、ヴォジャノーイ、(水の精霊)、バーバ・ヤガー(妖婆)など。
白樺は、もちろんロシアを代表する木である!ロシアでは白樺やその樹皮を使ってこのようなチェス用品を作ることは驚きに値しない。製作者であるクラスノヤルスク出身のウラジーミル・カペルコは1992年にこれを作った。このセットは現在モスクワのチェス博物館で展示されている。
バルト海に面したカリーニングラードは琥珀細工で知られている。このチェス用品は琥珀と銀で作られている。2010年代、「スーヴェニールィ・バルチキ(バルトのお土産)」によって作られた。
「アレクサンドル2世とナポレオン」と名付けられたこのチェス・セットは、1990年代に1812年の祖国戦争を記念して、金属で作られた。これは、モスクワの全ロシア装飾芸術美術館で展示されている。
この「赤と白」のチェス・セットは革命後の新社会(the Reds)と旧エリートの対決を描いている。磁器に金で絵付けされたこのチェスの駒は1925年にペトログラード(今のサンクトペテルブルク)で製作された。製作したのは磁器作家であるナターリア・ダンコで、彼女は、モスクワ地下鉄チアトラーリナヤ駅の装飾にも携わった。このチェス・セットも同じ博物館で見ることが出来る。
シベリアの古都トボリスクの名匠たちはマンモスの骨を彫刻することで知られている。このチェス・セットは著名な職人テレンティ・ペスコフが1936年に製作した。遊牧民が、家族全員とトナカイやチャム(小屋)とともに描かれている。これも同博物館で展示されている。
このチェス・セットは19世紀に金と銀を使って作られ、モスクワのクレムリン内の生神女就寝鐘楼で2013年に開かれた展示会で陳列された。
このハンドメイドのチェス・セットは、モスクワの工房「ルチノイ・リス」(飼い慣らされたキツネの意)で作られたもので、アクリル絵具を使い、グジェリスタイル(ロシアでもっとも有名なスタイルの一つ)で塗られている。チェス盤と駒はブナで作られており、内側と底にフェルトが張られている。
宝石で飾られたチェスの駒は、サンクトペテルブルクの宝石工房「アンナ・ノヴァ」の25人の職人によって、ブラックシルバーとゴールドで作られている。1812年のナポレオン戦争の様子を描いている。
駒の中には皇帝アレクサンドル1世、ナポレオン・ボナパルト、ミハイル・クトゥーゾフ将軍、ミハイル・バルクライ・ド・トーリなどがいる。ポーンはプレオブラジェンスキー連隊の兵士らと軍楽隊の演奏家でできている。
1つの駒は150ほどの小さな部品からできており、ダイアモンド、ルビー、サファイアで飾られている。チェス・セットの完成には3年が費やされた。
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