ピョートル大帝の文字通りの「お手製グッズ」(写真特集)

Kira Lisitskaya, 中央海事博物館, エルミタージュ美術館, ロシア美術館, JukoFF (CC BY-SA 3.0), Jean-Marc Nattier, Oleg Ignatovych/Sputnik
 ロシア帝国の初代皇帝は、多彩な職能を身に付けていた。幸いにして、彼が手作りしたグッズのいくつかは、今日まで無事に保存されている。

ボート

 「フォルトゥナ号」と名付けられたこのボートは、ピョートル大帝(1世〈1672~1725年〉)の最初の「艦隊」から完全な形で残った唯一のボートだ。この「艦隊」は、ロシアのプレシチェーヴォ湖を「拠点」としていた。当時、若きツァーリは、いわゆる「遊戯連隊」を創って、最初は戦争ごっこに、後には本格的な演習に夢中になっていた。

 このボートは、5組のオールを備え、マストを固定する場所もある。ボートの良好な保存状態と入念なケアを見ると、ピョートル自身がこれを造ったと推測できる。彼は、青年時代に造船の基礎を学んでいる。

 サンクトペテルブルクの博物館には、ピョートルの手になる、船の未完成の模型も保存されており、彼の技能のほどが見てとれる。

鉄片

 1720年、ペトロザヴォーツクの金属加工工場を訪れたときに、ピョートルは、鍛冶仕事をやっている。この鉄片を材料から切り取り、印を押した。

 その2年後、リャザン県(現在はリャザン州)のイースチエで、皇帝は、再び鋳造所で自ら働いて見せた。彼の同時代人、ピョートル・ミーレルはこう回想している。

 「彼は、自分の手で鉄を溶かして鍛え、鉄板に引き伸ばした。この作業をマスターした彼は、滞在の最後の頃、15ポンドの鉄を引き伸ばし、それぞれの鉄板に印を押した。彼の着飾った従者と大貴族は、石炭を運び、点火し、ふいごで煽るなどした」

 これは、ピョートル大帝が鍛造した鉄板の1つで、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に保管されている。

シャンデリア

 旋盤は、若きピョートルが外国に注文した最初の外国製機械の1つだ。モスクワで彼は、少年時代から、さまざまな工芸品の作り方を身に付けた。

 その後、サンクトペテルブルクでピョートルは、宮殿の住まいのすぐ横に、旋盤工房を設えた。その工房でいろんなものを作る彼の姿がよく見かけられた。

 そのうちの1つが、ピョートル自身が手がけた27本のキャンドル付きシャンデリアだ。最近、エルミタージュ美術館に復元された。 

長靴

 モスクワのクレムリン博物館には、ピョートル大帝自身が作ったとされるブーツが保管されている。

椅子

 経験を積んだ旋盤工だったピョートルだが、もちろん、シンプルな家具も作れた。モスクワのコローメンスコエ国立博物館に展示されているこの椅子は、皇帝の手になるものだ。

木製カップ

 ピョートルとその「弟子たち」は、彼の工房で、古典的な「教育用」オブジェも作った。カレリアの白樺で作られたこの木製カップもそうで、象牙の装飾が施されている。

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