玉ねぎ、コーヒー、ビーツを使ってイースターエッグを彩色する方法

ダリア・ソコロワ撮影
パスハ(復活大祭)には、キリスト教徒たちは卵に色を塗って、教会に飾ったり、プレゼントし合ったりする。自然の素材で卵を彩色するロシアの伝統的な方法を教えよう。

卵を彩色する伝統はどこから生まれたのだろう

 キリスト教では、イースターエッグは、中に永遠の生が秘められた主の棺の象徴だ。実は、パレスチナでは、洞窟の中に霊廟が作られ、その入り口は石で閉ざされていた。一説では、イエスの廟を閉ざした石が卵の形に似ていたのだという。卵の殻の中で新たな命が生まれるように、イースターエッグも、イエスの復活を思わせる。エッグを彩色するときにもっともよく使われる濃い赤は、イエスの受難と血を意味しているのである。

 マグダラのマリアが、ローマ皇帝ティベリウスに卵を贈り、キリストの復活を知らせたという言い伝えはよく知られている。ティベリウスは、最初は信じなかったのだが、その時、起きた奇跡を証明するかのように、卵が赤くなったのだという。

 しかし、エッグの彩色の伝統にはもっと実際的な説明もある。大斉期の時には、卵を(その他の動物由来の食品も)食べてはいけない。そのため、鶏卵が痛まないようにゆでていた。ゆで卵を生卵と区別するために、ゆで卵に色をつけていたのだという。

古代ルーシではどのようにエッグを彩色していたのだろう?

 一色に塗られたエッグは、古代ルーシでは、「クラーシェンカ(彩色卵)」と呼ばれていた。普通、エッグの彩色に用いられていたのは玉ねぎの皮で、赤褐色や濃いオレンジ色にすることができた。

 蝋(ろう)で装飾を施したエッグは、「ピーサンカ(書かれた卵)」と呼ばれていた。ピーサンカは、生卵に彩色を施し、食用にはしなかった。彩色した後に飲まれていたのだ。

 今は、食用染料や専用のシールを使ってエッグを彩色することができるが、私たちは、いつもの食材である玉ねぎやコーヒー、ビーツを使って彩色卵を作ってみましょう。

 彩色用には、白い卵を選んだほうがいい。ゆでる前に、約一時間ほど室温に置いておくこと。

玉ねぎの皮:赤褐色

 エッグを伝統的な赤褐色に染めるには、玉ねぎの皮を用おう。鍋に玉ねぎ10個分の皮(コップ2杯分)を置き、水1㍑を入れたら火にかけ、沸騰したら15分から30分煮出す(火にかける時間が長いほど濃い色になる)。ゆで汁が冷めたら、そこへ生卵を入れ、普段通りにゆでる(10分ほど)。ゆで汁の中に卵を入れる時間の長さによって色の濃さが変わる。赤玉ねぎの皮を使うと、エッグは紫がかった色になる。

ビーツ:薄紫色

 ビーツは粗いおろし金ですりおろし、鍋に入れて水を注ぐ。混ぜながら沸騰させ、10分から15分間ゆでる。その後、鍋を火からおろし、かき混ぜながら冷ます。小さじ1杯の酢を加え、ざるで漉し、ゆで汁の中に卵を入れたら1時間半から2時間ほど置く。

コーヒー:薄茶色

 挽いたコーヒー小さじ8杯分をカップ2杯分の水で溶く。混ぜながら沸騰させたら冷まし、その後、その中に生卵を入れて10分から15分ゆでる。それから、鍋を火からおろし、1時間ほど置いてエッグに色を染み込ませる。

ほうれん草:薄緑色

 ほうれん草1に対して二倍の水を入れて(例えば、ほうれん草1100㌘なら水カップ1杯、エッグ一個分ならこれで充分)沸騰させる。水が緑色になるまでほうれん草をゆでる。その後、鍋を火からおろし、ゆで汁を濾してから冷まし、ゆで卵を入れる。きれいでしっかりと色をつけるには、ゆで汁に酢を小さじ2杯加えるといい。

自然の食材で他にどんな色をつけられる?

・黄色:うこん、サフラン

・オレンジ:パプリカ

・水色:赤キャベツ

・暗青色:ワイン

エッグにはどうやって絵を描けばいいのだろう:

 葉を使って模様をつけるのには、コリアンダーやバジル、パセリなど、どんな植物でも使える。エッグを水で濡らしてから葉を貼り付ける。それから、エッグをガーゼかナイロンの靴下に入れて、普段通りにゆでる。

縞模様をつけるには、ゆでる前のエッグに紐か輪ゴムを巻きつける。

エッグと一緒に米か豆を靴下、またはガーゼに入れてゆでると、水玉模様になる。

すでに彩色した後のエッグに艶を出したいときは、植物油を塗るといい。

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