頑強な男としてのプーチン大統領の評判を確固たるものにしたスタントでおそらく最も有名なものは、シベリアのトゥヴァ共和国のキジル町近くの荒野で、上半身裸で乗馬している姿が撮影された時のことであろう。必ずしもトップレスでする必要はないものの、シベリア周辺の乗馬ツアーは、ロシアのこの魅力的な地方に親しむのに実にぴったりの方法である。バイカル湖の西岸に沿った道は、さまざまな地形と同様に、変化に富んでいる。湖の岸に沿って駆け足で行くこともできれば、ステップの草原の中を側対歩することもできるし、大きく拡がる草原の中を速いペースで駆け抜けたり、湖の中央付近の見事な山岳風景の中を蛇行してもいい。
さらにこの地域は、湖のほかにも、モンゴルとの国境付近に位置する、地殻の割れ目から湧き出る温泉の「アルジャーン」で有名である。その昔、アルジャーンはしばしば、シャーマンにより人々に授けられた。これらの温泉水に含まれる栄養素やミネラルは、一種の医学的効果があるとされている。
アレクセイ・ニコルスキイ撮影/ロシア通信
魚釣りは、ロシアでは「本物の男がするスポーツ」だという考えがあるので、プーチン大統領がそれに便乗して本格的な釣りに挑戦したのも自然な成り行きと言えよう。これらの写真の信憑性を信じるとすれば、上半身裸の同大統領は2013年7月に、シベリアのトゥヴァ共和国の河川で巨大な21キロのスズキ目を釣り上げた。このようなアクティビティはトゥヴァでしかできないわけでも、夏場にしかできないわけではない。ロシア人か外国人かを問わず、釣りの愛好家は全国中におり、釣りに付きもののウォッカや漬け物が好きかは別として、この広大な国土では、彼らは雨でも晴れでも、凍りついていても釣りに出かけている。
プーチン大統領はどうやら動物好きでもあるようだ。というのも、次のスタントでは、同大統領は極東のウスリー野生生物保護区を訪問し、絶滅寸前の危機に瀕しているアムールトラを野生でモニタリングするという非常に困難なタスクを研究者たちがどのように実施しているかを見学したからだ。ところがその挙げ句、大統領は、科学の名の下に静穏剤ガンを1頭のトラに命中させ、またしてもこれが格好の写真撮影の機会と化したのだった。極東ロシアに位置し、プリモーリエという別称も持つ沿海地方 は、この地球上の自然の生息地でトラに遭遇することができる数少ない場所の一つである。ウラジオストクから約64キロ離れたところにあるプリモルスキー・サファリパークには、完全に成長したアムールトラが3頭いる。その大きさ、鋭い爪やスピードは目を見張るものだ。もしかすると、このような訪問を経験することで、保護措置もなしにこれらのトラに接するのがいかに危険であるかに気づくことができるのかもしれない。
キリル・ウムリーヒン撮影/タス通信
ロシアに来るのが冬の季節であっても、落胆する必要はない。この国では、ウィンタースポーツの愛好家に盛りだくさんの内容が提供されているからだ。2014年冬季五輪の開催地で、プーチン大統領のもう一つの「遊び場」でもあるクラースナヤ・ポリャーナのゲレンデに向かって本格的なスキーを楽しんでみたらいかがだろう。
アントン・デニーソフ撮影/ロシア通信
モルディブでスキューバダイビングをして、色彩豊かなエキゾチックな魚を目にするというのは、あまりにも一昔前の2009年の話のようだ。そんなことはプーチン大統領だって分かっている。そこで2013年、彼は「シー・エクスプローラー5号」(小型の潜水艇) に乗り込み、水深60メートルまで潜水し、1869年にフィンランド湾で沈没した海軍のフリゲート艦オレグ号の残骸を見学したのだった。この海の水温は、ほとんどの人にとってダイビングするには冷たすぎるが、冷たいフィンランド湾の海水で潜ることを厭わない勇敢なダイバーの案内をするスキューバダイビングクラブが2つある。これらのクラブはラドガ湖、バイカル湖やバレンツ海、さらには日本海でも案内をしており、いうまでもなく保温スーツが支給される。それでもハードコア度が不十分だというなら、水中での狩りを案内してくれるツアーオペレーターに申し込むといいだろう。
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