バイカル湖=Shutterstock/Legion-Media撮影
バイカル湖は世界最大の貯水量を誇る淡水湖。誰もが納得のユネスコ世界遺産登録だ。
水深1642メートルと世界最深で、また世界で最も透明度が高く、世界最古の湖でもある。誕生は2500万年前と推測されている。地溝帯に位置するバイカル湖はいまだに年間1~2センチメートルの勢いで成長しており、表面積では世界で7番目に大きな湖で、その貯水量は北米の五大湖の総貯水量を上回っている。
何千もの種類の植物や動物が湖の中や周辺に生息し、その多くを地球上の他の場所で見つけることができない。具体的にはアザラシ、半透明な魚、また虫、甲殻類、プランクトン、巻貝、海綿動物を含む無脊椎動物など。最も有名な固有の動物はバイカル・アザラシ。珍しい淡水種としては、サケ科の白魚でバイカル湖のイメージが強く、燻製されるのが一般的なオムリ、またバイカル・チョウザメがいる。絶滅危惧種の魚も湖の北岸に生息する。
行き方
飛行機または列車でイルクーツクまたはウラン・ウデへ向かう。イルクーツクから湖の最寄りの地点までの距離は約65キロ。ウランウデからは約250キロ。どちらの街からも、タクシーまたはバスで簡単にバイカル湖に行くことができる。
プトラナ台地(2010年登録)
Lori/Legion-Media撮影
プトラナ台地はクラスノヤルスク地方の中央シベリア高原北西端、北極圏内北100キロに位置している。
この領域にはタイガ、ツンドラ、北極圏砂漠の原生的な北の風景が広がる。周辺には2万5000の湖(バイカル湖に続くロシア第2位の淡水供給源)、深い峡谷、冷水河川、数千もの滝、地形に育まれたフィヨルド風の自然構造物がある。
世界有数の主要なトナカイ移動ルートが横断するこの領域には、オオツノヒツジの孤立亜種であるシベリアビッグホーンも生息している。人間のインフラがほぼ皆無であることから(最寄りの集落は数百キロ先)、豊富な植物生物多様性を誇る北極圏の場所として世界遺産に登録された。
行き方
この領域を管理しているのは、プトラナ台地の西200キロにある閉鎖都市ノリリスク。訪問が困難であることは言うまでもないが、可能ではある。許可およびガイドを要し、また少なくとも1回はヘリコプターに乗らなければならない。可能なルートや障害についてはウェブサイトで確認可能。
ウヴス・ヌール盆地(2003年登録)
Lori/Legion-Media撮影
ウヴス・ヌールは中央アジア全域に広がる盆地群。ロシアとモンゴルが共有する。
ここは最南端のタイガと最北端の砂丘砂漠が接触する場所でもある。ウヴス・ヌール湖は塩分濃度が高く、浅い。数千年前、現在よりもはるかに広大な領域に広がっていた海の名残である。今日、南シベリアのトゥヴァ共和国とモンゴルの国境がここにあり、モンゴル側には湖の約90%が入っている。
ステップを移動していた遊牧民の歴史を詳述する、約4万ヶ所の遺跡がここにある。
年間を通して100℃以上の気温差があるものの、100種以上の鳥や、絶滅危惧種のユキヒョウ、アルガリ(野生ヒツジ)、アジアアイベックス(野生ヤギ)がここに生息している。
行き方
トゥヴァ共和国の首都クズルに小さな空港はあるものの、クラスノヤルスクまたはアバカン近くまで列車や飛行機で向かう方が良い。そこからバスまたはタクシーでクズルに行き、ツアーを利用するか、またはタクシーに乗って湖に行く。
アルタイ黄金山地(1998年登録)
Lori/Legion Media撮影
ロシアで最も美しい場所の一つであるアルタイ黄金山地は、中央アジアと、北への旅の始点であるオビ川経由の北極海との分水嶺を形づくっている。山岳タイガ、ステップ、湖沼流域、谷、山の草地など、多くの風景をここで見つけることができる。ほぼ1500本の氷河が、異なる5期の氷河期を経て、その姿を現在に残す。
この領域がロシア帝国の一部となったのは18世紀半ば。だが人類は百万年前からここに暮らし、アルタイ共和国の首都ゴルノ・アルタイスク近くに旧石器時代の集落を残している。この領域ではロシア人とアルタイ人がまばらに暮らしている。アルタイ人はテュルク系民族で、伝統的に畜産、農業、狩猟を糧として暮らしてきた。
行き方
ゴルノ・アルタイスクには小さな空港があり、モスクワ、ノボシビルスク、クラスノヤルスクの航空便が発着している。スケジュールはウェブサイトで確認可能。http://air-altai.ru/raspisanie.html最初にノボシビルスクに向かい、バスやタクシーを利用して行く方法もある。
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