写真提供:ワヂム・マルチネンコ、マリア・ボロヂナ/vladivostok3000
ロシア人旅行客がウラジオストクに関心を持つのは、ここが遠い街で、不可思議で、アジア的で、海があるからだ(ロシア西部の大部分の街には海がないため)。
外国人旅行客の関心は少し違う。ウラジオストクがロシアの街で、海軍基地があること。ここは1992年まで、外国人の立ち入りが禁止されていた閉鎖都市だった。今日、隣国の中国、日本、韓国の旅行客がたくさんウラジオストクを訪れている。また、大型客船の乗船客など、ヨーロッパやアメリカの旅行客もいる。2012年アジア太平洋経済協力(APEC)会議以降、街の知名度は高まった。
ロシアの水兵によって1860年に創設されたこの街の歴史と地元のライフスタイルは、土産物産業にも反映されている。
海を感じられる
写真提供:ワヂム・マルチネンコ、マリア・ボロヂナ/vladivostok3000
海のロマンが好きな人は、ワニスが塗られた乾燥ヒトデ、貝殻やウニからつくられた土産物を買う(スポーツ港湾や中心部で販売)。標準的な土産物と言えば、冷蔵庫用のマグネット。ウラジオストクでは最近建設された橋、帆船(フリゲートのナデジダ号とパラダ号はウラジオストク所属)、海洋関連がマグネットになっている。また、キーホルダーやマグカップにもなっている(土産物の具体例はウェブサイトで見ることができる)。アジアの品は市内の中国市場にたくさん売られている。
要塞の景色
外国人旅行客はマトリョーシカやウシャンカ(耳当て付き毛皮帽)以外に、軍事史にも関心を示す。古い堡塁や砲台の大砲が点在するウラジオストク要塞は、ロシアでも珍しい。要塞は土産のグッズにもなっているし、海やタイガとともに写真集にもなっている。
ウラジオストクのシンボルはアムールトラ。トラ通りもあるし、彫刻もいくつかある。トラの毛皮を海外に持ち出そうとする密輸業者は、税関で時々摘発されている。カレンダー、ノート、ライターなどに描かれたトラとなら、安心して出国できる。
ウラジオストクのおいしい土産物なら、地元でつくられた「鳥のミルク」チョコレートがある。製菓職人のアンナ・チュルコワは、このレシピで「社会主義労働英雄」の称号を得た。地元産の植物や海産物が加えられたアルコールにも人気がある。
先住民族のアクセサリーから隕石まで
極東の探検家で作家の、ウラジーミル・アルセーニエフの名前がついた郷土博物館では、ナナイ人やウデゲ人などの地元の先住民族の手づくりアクセサリーを購入することができる。
「ハンドルは右、ハートは左」と書かれたTシャツは、日本産中古車に対するロシア極東の人間の愛着を表現している。
写真提供:ワヂム・マルチネンコ、マリア・ボロヂナ/vladivostok3000
近くのスヴェトランスカヤ通りにあるソ連時代に建てられた海軍百貨店は、旅行客に人気の店となった。軍の制服、階級章、ベルト、帽子などが売られている。特に人気の高いのがテリニャシュカ。これは横縞の水兵シャツで、近年は海軍以外でも採用されている。ウラジオストク発祥の人気ロック・バンド「ムミー・トローリ」のシンボルのついた、特別なテリニャシュカもある(ポグラニチナヤ通りの「ムミー・トローリ音楽バー」で購入可能)。海軍の土産物は、カラベリナヤ通りの第二次世界大戦の潜水艦「S-56」博物館で販売されている。
地元の出版社は、ポストカード、昔のウラジオストクの地図の復元物、書籍など、さまざまな印刷物の土産物を発行している。アドミラル・フォキン通り10aにある太平洋出版社「ルベシュ」の代表的な「ネヴェリスコイ」店には、ロシア語と英語の二ヶ国語版を含め、地元の歴史に関する書籍がある。ベストセラーには、1894~1930年にウラジオストクで暮らしていたアメリカ人、エレノア・プレイが毎日友人に書いていた手紙集もある。この手紙は情緒的な年代記になった。
ウラジオストクの有名な画家セルゲイ・チェルカソフの、地元の風景を描いた絵画は、原品やカレンダーなどとして購入することが可能。
歴史愛好家には、押印のあるレンガがおもしろいだろう。1917年のロシア革命まで、ロシアのレンガ製造者は、必ず押印をしていた。現在は収集家が集めている。アレクセイ・スタルツェフ(Startseff印)、アメリカ人のデビッド・クラークソン、スイス人のヨハン・クステルのレンガは、ウラジオストクで有名である。
変わった土産物には、沿海地方北東部のダリネゴルスクのスカルン(薄緑色の模様が特徴的な鉱物)からつくられた作品、1947年に落下したシホテアリニ山脈の隕石がある。この隕石には不思議な力があると考えられている。
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