マスレニツァのお祭り=
ヴァレーリイ・モレフ撮影/タス通信1、ロシアにおける多くの物事がそうであるが、お呼ばれの「制度」は、招く側との個人的な関係の上に成り立っている。むろん、最初の何回かの訪問は、「日付や時間その他の事前の合意」という万国共通のやり方で行なわれるはずだ。しかし、この障壁を克服さえできれば、以後の訪問はぐっと簡略化される。到着15分前に訪問を予告することが作法に適ったことと見なされる。事情でそれもままならないとなれば、せめて5分前に。それさえできなかったなら、ただ行って、ドアをノックすればよい。
2、通例だと、客は当初、靴は脱がなくてよい、と言われる。これを真に受けてはいけない。これは主人が謙譲の姿勢を示したものに過ぎない。ロシア人の家の玄関には決まってスリッパ棚があって、そこにはありとあらゆる色・サイズのサンプルが保管されている。それらが気前よく訪問客全員に配られる。お友達の機嫌を損ねないよう、意を決して履き替えてほしい。たとえ、あなたに配られたのが、ピンク色、毛皮・スパンコール付き、しかもサイズが45(27.5cm)のスリッパだったとしても。
3、もしあなたがロシア在住で、自宅で騒々しい(この形容詞は必須である)パーティを開こうとしているならば、今から述べることに特段の注意を。友達が来る前に、両隣のドアをノックして、今晩は少しいつもよりうるさくなります、と予告しておくよう勧める。そうしないと、あとであなたのドアのほうがノックされるかもしれない。それも、お隣さんではない、制服を着た人たちに。
Alex Naanou/flickr.com
4、パーティが長引いて、家に帰るのが億劫/メトロはまだ動いていない/タクシーは高くつく・・・と思うなら、とどまる勇気をもつことだ。主人は確実に反対しない。ロシアでは、一晩泊まれる客の数は、床面積というよりも、何本飲んだかで決まる。同様の状況に置かれたとき、客間のソファにロシア人のお友達が寝ているのを目撃しても、驚かないように。
5、友達の家に遊びに行ったのに、友人または同僚だけでなく、そこには友人の両親/おばあちゃん/おじいちゃん/姉妹/兄弟その他ありとあらゆる親類がいる・・・という事態にも、心の備えを。ロシアの住宅問題はほとんど解決されていない。みんな一緒に一つ屋根の下、という暮らし方も、ロシアではよくある。その際、住居の大きさはそれほど重要ではない。
Andrey Klimontov/flickr.com
6、ロシア人によるおもてなしは手厚い。時に、度を越して。だから、最大限の空腹状態で訪問することだ。あなたが食べることを望むか望まないかに関係なく、食べることを迫られる。大量に、執拗に。やっと全てを平らげた、と思ったときにも、冷蔵庫にはたぶん隠し玉が控えている。「作り置き」、これもロシア式おもてなし文化のレシピのひとつである。皿に盛られものは食べ残しが許されない。さもなければホストの機嫌を損ね、食べることばかりか、飲むことをも迫られるであろう。何をって、ウォッカをである。
7、微妙な点だが、主人との人間関係のいかんによらず、手ぶらの訪問はロシア的でない。ワイン一本、フルーツ少々、おいしい肉、チーズ一塊・・・。何にするか、決めるのはあなただ。食べるのも、結局は、あなたである。だから、賢い選択を。
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