アニメ、侍、芸者、相撲力士、そしてとくに寿司。これはロシア人が日本について知っていることのごく一部だ。=ロイター通信
ロシア人が行きたいと思う国の一番人気はフランスとイタリア(「世論」基金2014年6月調査)。
ロシアでは誰もがフランス語に堪能というわけではないが、「l’amour(愛)」を知らない人はいない。モスクワっ子のイリーナ・ダニルキナさんはこう話す。「彼とパリ行きを計画してるの。映画みたいな旅ができたら。シャンゼリゼでチーズとパリパリのバゲットを食べて、ワインを飲みたい。グルヌイユ(カエル)やエスカルゴ(カタツムリ)も試してみたい」。女子なら誰でも、ブティックめぐりをして、ベレー帽を買うことを夢見る。ロシア人のイメージでは、フランス人女子はみんなベレー帽をかぶっている。
Lori/Legion Media撮影
フランス人がモードの創始者であるなら、イタリア人はトレンド・セッター(流行仕掛け人)だ。イタリアは美しい女性とセクシーな男性の国。イタリア人はパスタ、ピザ、ラザニアを食べていてもスタイル抜群で、賞賛と羨望を呼ぶ。
スペインはサッカーの国。フラメンコを踊らず、闘牛に参加しない人は、皆サッカーをしている。スペイン語の「マッチョ」という言葉は、多くのロシア人にとって情熱的でホットなブルネットのスペイン人男性を意味する。
ロシア人の54%は、世界で今、中国ほどロシアに友好的な国はないと考えている(「世論」基金2014年7月調査)。ロシア人がイメージする中国人は、非常に規律正しく、勤勉な国民。スポーツ界で成功し、「中国製」と書かれた製品がとても多いことが、それを示している。また中国人は緑茶を飲み、 米を食べ、古代医学を活用していることから、国には健康な人ばかりが暮らしている。ロシア人の15%は、将来子どもに中国語を勉強させれば役に立つと考えている(「世論」基金2014年11月調査)。
日本は世界で最も神秘的な国の一つ。ロシア人の27%が日本に明らかな関心を持っており、14%が日本に深い親近感を感じている(「世論」基金2011年3月調査)。アニメ、侍、芸者、相撲力士、そしてとくに寿司。これはロシア人が日本について知っていることのごく一部だ。また、ロシア市場で最も人気のある車は、従来から日本車である。日本製ガジェットの需要も高い。日本人は先進的で、礼儀正しく、笑顔の多い人々という定評がある。
ロシア人の最もお気に入りのバケーション先はアラブ諸国。ロシア連邦観光局の2014年のデータによると、エジプトを旅行したのは250万人強、アラブ首長国連邦は60万人、チュニジアは約25万人。
旅行代理店によると、ロシア人の新婚旅行先は島が一番多く、インドネシアのバリ島はその一つ。「旅行客はリラックスとスパを目的にしている。多くの人が奇跡の『バリ式マッサージ』について聞いたことがある。地元の動植物は印象的で、ふれあい動物園も多くの人の目的」と旅行代理店のヴォルコワさんは話す。ジャワ島も有名だ。ソ連時代、同じ名前のタバコがあり、とても人気だったため、インドネシアではどこでもタバコの葉が育っているというイメージをロシア人は持っている。
スポーツ、映画、文学は、現実とは必ずしも一致しないステレオタイプを形成する。例えば、スリランカ市民のガヤンさんは、ロシアには「美しい女性しかおらず、男性は皆アイスホッケーをしている」と考える。他国の国民については、誰もが実際に現地で確かめることができるわけではないため、誤解も多い。ロシアで少なくとも1度は外国に行ったことがある人は5人に1人(旧ソ連諸国への旅行を除く)。ロシア人の実に81%が、旧ソ連以外の外国に出かけたことがない(「世論」基金2014年6月調査)。
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