セルゲイ・ピャタコフ撮影/ロシア通信
ロシア軍に女性が入軍するようになって久しい。海軍は、女性が通信部隊、医療部隊、海軍沿岸部隊の任務にあたっていることを説明しながら、今回の件を差別ではないと強調している。
アメリカ海軍のひんぱんなスキャンダルによって証明されているように、軍艦ましてや潜水艦の限られた空間の中で、異なる性の軍人が快適な生活を送れるように条件を整えていくのは、極めて困難である。ロシアの軍艦よりもはるかに現代的で、設計の段階から乗組員の快適性に配慮がなされているアメリカの軍艦でさえ、非常に不快な問題を避けることはできていない。アメリカのオハイオ級原子力潜水艦「ワイオミング」に配属された男性下士官(24)は、シャワールームや脱衣所にいる女性の同僚を盗撮し、動画を拡散させていた。
とはいえ、ロシアの女性が軍に不満を表明するような事態は起こらないだろう。軍は女性向けにかなり重大な課題を作成している。タチヤナ・シェフツォワ国防次官は15日、220人以上の女子が今年軍事大学に入学する見込みで、すでに1000人ほどが女子幼年学校で学んでいると話した。「軍事教育の道を今進み始めた女子は、10年後に入軍し、時間の経過とともに重要な責任ある役職に就いていく可能性がある。我々の課題は、代わりの次世代を育成し、ロシア軍の真の人材プールを用意すること」とシェフツォワ国防次官。
引き継ぎ先は確かにある。ロシア連邦軍ではすでに、大勢の女性が勤務している。女性は計3万5000人以上にのぼり、うち2600人は士官、72人は司令的役職に就いている。
責任感が強くて忍耐強い
ソ連時代に行われていた医学的研究では、女性が男性と同じ体重であっても、男性より弱いことが示されていた。しかしながら、独自の心理・肉体的特徴を持っており、男性には困難な一連のことをできる。具体的には、女性はより耐久力があり、肉体・精神的ストレスに対してより耐性があり、同時に細やかで几帳面である。そのため、軍では通常、女性は通信部隊、情報セキュリティおよびコミュニケーション分野、人事サービス、心理サービス、医療サービスの分野に従事している。
ロシアでは、他の外国の軍とは異なり、戦闘任務と非戦闘任務の区別が存在していたことはなかった。女性が肩章をつけているのなら、司令官の命令にしたがい、他の兵士とともに攻撃に赴く。近年では、710人のロシア人女性が軍事行動に参加している。一方で、蓄積された伝統により、戦場でも平時と同様に、女性が守られる傾向がある。司令官は戦争において、特に必要性のない限り、女性を前線に送らないように全力で努めるし、平時においてはメイクアップやアクセサリーも許可することもある。他では、日常生活、訓練が、男性と大きく異なるということはない。女性は15キロのマラソンをこなし、手榴弾を投げ、あらゆる種類の武器で射撃を行い、戦車も乗り回す。女性向けの唯一の暗黙の容認としては、一部規定罰則および非規定罰則の欠如がある。営倉に入れたり、重厚な防弾チョッキあるいは防毒マスクを着用しての長距離マラソンといった激しい運動をさせたりすることはない。
女性は精鋭部隊にまでのぼりつめている。リャザン空挺学校はすでに、近い将来士官となり、パラシュート整備部隊を指揮し、また軍事技術品や空挺部隊の投下援助を行うこととなる、女性を集めている。有名な第76親衛空挺師団に所属している383人の女性のように、生徒はパラシュート落下も学ぶ。
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