朝鮮半島THAAD配備に中露警戒

 朝鮮半島へのアメリカのミサイル防衛システム「終末高高度地域防衛(THAAD)」の配備をめぐり、ロシアと中国は12日、共同行動を取ることで合意した。専門家によれば、THAADは防衛システムから攻撃システムに変更可能であり、アメリカがこのような配備をすることによって自らロシアと中国をミサイル防衛分野で接近させているという。
ロシア軍、中国軍
ロシア軍、中国軍  =アレクサンドル・クリャジェフ/ロシア通信

 ロシアと中国の外務次官は12日、北東アジアの戦略的勢力バランスを保ち、韓国に配備されるアメリカのTHAADシステムにともに反対することで合意した。ロシアの「インテルファクス」通信がこれを伝えている。

 ロシアと中国の国防省の見解によれば、アメリカの世界ミサイル防衛システム、特にヨーロッパの部分の潜在性は、防衛の要件を超えているという。

 ロシア連邦軍参謀本部作戦総局のヴィクトル・ポズニヒル第1副局長によれば、北朝鮮は弾道ミサイルをつくる行程の開始地点にいるだけであり、またアメリカによってヨーロッパの部分が向けられているイランは核合意後に脅威になるはずがないという。「北朝鮮とイランの『ミサイルの脅威』に対抗するとの口実で、ロシアと中国のミサイルに対抗することを主な用途としたシステムが配備されている」とポズニヒル第1副局長。

 

朝鮮半島に配備されるシステムの構成

「韓国を北朝鮮から守るためにミサイル防衛システムを配備することが、3年前に決まった。これは敵の弾道ミサイルを打ち上げまもなく撃墜できる大型の迎撃システム」と、ロシア国立研究大学「高等経済学院」東洋学校のアレクセイ・マスロフ校長はロシアNOWに話す。

 

 THAADシステムはアメリカの大手航空機メーカー「ロッキード・マーチン」の製品で、500キロ以下の短距離ミサイルを想定しているという。また、THAADのレーダー・システムの探知距離は1000キロで、ロシアおよび中国の一部を収めていると、マスロフ校長。

 この時、THAADの配備にアメリカの地対空ミサイル・システム「パトリオット」、迎撃ミサイル「SM-3」用のミサイル垂直発射システム「Mk-41」が設置された陸上型システム「イージス・アショア」が供給される。ミサイルは近地球軌道の人工衛星も撃墜できると、マスロフ校長。

 

ロシアと中国は何を警戒しているのか

 「アメリカが北朝鮮問題で協力せずに、中国とロシアの軍事インフラを収めるシステムを構築していることに、中国とロシアは不満を感じている」と、ロシアの新聞「イズベスチャ」の軍事専門家ドミトリー・サフォノフ氏はロシアNOWに話す。

 Mk-41は迎撃ミサイルのSM-3だけでなく、射程距離2500キロの「トマホーク」のような巡航ミサイルも装備できるという。これにより、地対空ミサイル・システムが防衛システムから攻撃システムに変わる。

 

ロシアと中国はどうするのか

 サフォノフ氏とマスロフ校長の考えでは、アメリカはロシアと中国を共同ミサイル防衛システムの構築に向かわせているという。

「ロシアはこの問題について中国と一連の協議を行い、今や共同行動の構想のもとで作業している。また、二国間のミサイル防衛演習の実施についての話も出ている。この方向性での作業が自動的に進むまでの調整を要している」とサフォノフ氏。   

 とはいえ、アメリカが朝鮮半島にTHAADを配備することに対して、ロシアが過激な政策をとると、すべてのアナリストが考えているわけではない。さらに、ロシアが極東に追加的な軍備を行ったり、THAADの一部に対してミサイルを向けたり、何らかの形で韓国との関係を悪化させることもないという。このような意見を示したのは、「祖国の武器庫」誌のヴィクトル・ムラホフスキー編集長。

 中国政府はまず、この問題についてアメリカと直接話し合い、交渉するという。ロシアとの共同ミサイル防衛システムを開発することは、中国にとって予備案である。

「北朝鮮に対する手段は、軍事的ではなく、政治・外交的なものをロシアは推進していく。ロシアは北朝鮮核問題の6ヶ国協議を再開させようと努めている」とムラホフスキー編集長。

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